この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第59巻収録。馬主のマイブリッジ夫人は愛馬・ホワイティを馬泥棒組織に奪われてしまう。組織の目的は食肉として売りさばくためだった。夫人は愛馬の仇を討つべくゴルゴに連絡を取る。街のチンピラ暴走族を使って馬を襲わせる黒幕「黒いライダー」とは一体何者なのか……? 脚本:きむらはじめ
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依頼人の話を延々と聞くゴルゴ
「余計なおしゃべりは止めろ」「依頼に関することだけ話せ」のセリフを何度聞かされたことか。ところが本作では、マイブリッジ夫人から身の上話や殺されたと思われる馬への愛情をゴルゴは延々と聞き続けている。何と4ページも。
「ひとの価値観をとやかくいう気持ちはない」と最後に冷たく突き放してはいるものの、依頼はすんなり引き受けている。なお、6万トンの馬肉を日本に輸出しているとあるが、それは30年以上前のこと。ここ10年くらいは7000トン前後(うちアメリカからはほぼゼロ)で推移している。夫人の悩みの種は無くなったはず。
ゴルゴが選んだ世界のホンダ
馬泥棒を追いかけるため、ゴルゴはオフロードバイクを買い求める。さて、ゴルゴが選んだバイクは何か?タンクに「HONDA」、シート後部に「XL」とあることからホンダのXLシリーズなのは間違いない。
本作の発表が1983年であるのを考慮するとXL500Rくらいか。ただしXL500Rの登場は1982年。『傑作・アサルトライフル』でゴルゴは新型M16の切り替えも慎重に取り組んでいる描写がある。するとモデルチェンジ前で信頼性の高いXL500Sだったかもしれない。バイクに詳しい人に見て貰いたいものだ。
馬泥棒の悪がきにも甘い対応
ホンダのバイクで馬泥棒の高校生5人を追い詰めていくゴルゴ。そのやり口が不可解だ。1人目はバイクのチェーンを撃って転ばせる。2人目はタンクを撃ち抜いて出火、転倒させる。3人目はそれに巻き込まれて転ぶ。
4人目はゴルゴがジャンプしたバイクの後輪を背中辺りにぶつけられて転落。5人目も体の一部にぶつけられて転がり落ちている。彼らの口から黒幕を聞き出す必要はあるのだが、1人を残して殺すこともできたはず。なお黒幕ら2人はキッチリ眉間を撃ち抜いている。ゴルゴに腕を折られた悪がきが、「未成年者虐待は重罪なんだ」と叫ぶ姿が哀れ。
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研 修治
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