この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第116巻収録。インチキ医者・アンガスの珍療法によって、失意のうちに亡くなった妻の仇を討つため、夫のミッチェルはゴルゴにアンガス抹殺を依頼する。しかしアンガスの診療所は防弾仕様になっており、狙撃は容易ではない。ゴルゴは爆弾に詳しいロペスの発案で、対戦車用に開発された空中地雷を利用した作戦で勝負に出る。脚本:ながいみちのり
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たくさんある“神の”シリーズ
言語こそ異なるもののゴルゴシリーズでサブタイトルに「神の手」とついた話は2作ある。1979年発表の「ラ・マニョ・ディアス」(スペイン語で神の手)と1995年発表の本作だ。
“神”を冠するのはさいとう先生の好みなのか、『神の眼力』『神の耳・エシュロン』『神の滴』などがある。人間が持つ5つの感覚とすり合わせれば、「手」は触覚、「眼力」は視覚、「耳」は聴覚、「滴」はワインが登場することから味覚や嗅覚に当てはまりそうだ。もっとも火薬や香水などにも敏感なゴルゴ。今後、彼が鼻をひくつかせるような依頼が来るのかもしれない。
ゴルゴを手助けするプロ達
ゴルゴも情報屋や武器屋など、その道のプロを利用することがある。しかし本作に登場するロペスはちょっと異色の存在だ。どうやらゴルゴでも思いつかないような狙撃手段を考えるプロらしい。しかも死去してしまったものの、ロペスの前任者にはマルコがいたことも描かれている。狙撃の工作者とでも言うのだろうか。
これまでにも様々な手段で達成しているゴルゴ。その中には死去したマルコが考えた手段があったはずだ。例えば本作よりさかのぼること12年前。建物の跳弾を利用した『110度の狙点』がある。こうした狙撃手法をマルコが考えたのかもしれない。
ゴルゴが礼を言う相手
本作でターゲットとなるのは、原価1ドルの特効薬と怪しげなマッサージで“神の手”を自称するポール・アンガス。この手の詐欺師は洋の東西を問わず現れるが、効果のなかった患者や遺族達から恨まれるのも常。
そんな自覚のあるアンガスは要塞同然の自宅で襲撃に備えている。しかしロペスとペアを組んだゴルゴは一昼夜を超える特訓を行い、アンガス本人はもちろん多数のガードマン達も一掃している。特訓後にゴルゴは、「世話になった」とロペスに言う。そんな言葉を聞けるのはデイブ・マッカートニーらごく一部に過ぎない。ロペスの笑顔も当然だろう。
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研 修治
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