この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第81巻収録。ゴルゴはPACのリーダーから裏切り者オバンゴの始末を依頼される。刑務所内に逃げ込み好待遇を受けているオバンゴと接触するため、自ら収監されたゴルゴは薬を使い腸チフスを発症する作戦にでる。入所時からゴルゴの正体を疑う看守長の徹底的なマークを突破できるか……? 脚本:K・元美津
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南アフリカの政治体制って知ってる?
2010年にサッカーワールドカップが開催され、近年のラグビー人気で南アフリカに親近感を覚える日本人も多いだろう。しかし南アフリカの政治体制について知っている人はどれだけいるだろうか。本作で依頼人となるのはタンザニアで活動するPAC(パン・アフリカニスト会議)のメンバー。
南アフリカの刑務所に逃げ込んだ裏切り者であるロニ・オバンゴの処分を80万ドルでゴルゴに頼んでいる。現在の南アフリカには同名の政党も存在するが、本作の発表は1988年。まだまだ南アフリカの政治体制が混とんとしていた時期だ。
フィリピン人となったゴルゴ
『北緯九十度のハッティ』でインド軍人に、『アイボリー・コネクション』で中国人の商人に変装したゴルゴ。本作ではトーゴ・ロドリゲスの名前でフィリピン人に変装している。ただしパスポートの用意を依頼人に任せたこともあって、あっさり偽者とばれている。“ロドリゲス”の名前はラテン系などで見かけるが、“トーゴ”はどうなのか。
偽名で“東郷(とうごう)”を使うことの多いゴルゴ。その類推でトーゴにしたと思われるものの、『毛沢東の遺言』『すべて人民のもの』などで描かれたように、やはりゴルゴのルーツに“東郷”が関係しているのだろうか。
武器も脱出手段も現地調達
ターゲットに近づくため、警官への暴行罪で捕まるゴルゴ。もちろん武器などは持ち込めないので丸腰での活動となるが、特殊な薬らしきものを飲むことで原因不明の病気を装う。そして病院へ搬送するためのヘリコプターを呼び寄せ、ロニ・オバンゴとともに刑務所から脱出している。
これがアメリカかロシア辺りであれば、早々にゴルゴと判明して簡単に脱出は不可能だろう。しかし今回の舞台は南アフリカだ。ゴルゴは隙を見て奪った警備担当者のリボルバー1丁で、職員の脅迫からオバンゴの始末も行っている。まさに過不足ないゴルゴの仕事っぷりだ。
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研 修治
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