この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス未収録作品。ロシア軍が開発した空母艦載機のジェットエンジンを中国軍が無断でコピーしているという。事態を重く見たロシア軍部は、ゴルゴをテスト・パイロットとして中国側に送り込み、拉致された技術者の保護とコピー工場の破壊を依頼するが…。脚本:平良隆久
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台湾攻撃と戦闘機コピーは可能か
本作は中国の台湾攻撃が下地となり、台湾の花蓮県にある佳山基地を強襲するため、秘密裏にロシア製戦闘機のコピーを製造しているとの設定だ。「中国共産党なら台湾攻撃も戦闘機コピーもありそうだ」と読者に思わせるのは、ゴルゴシリーズの綿密な調査があるからだろう。
ただし作中のコピー戦闘機は散々な性能で、ハンドスピナーにまで及ぶ日本や他の先進国との格差を痛感する様子が描かれている。ミネベアミツミと三菱プレシジョンが共同開発したハンドスピナーは2018年に24分46.34秒でギネス記録となった。中国が追いつく日はいつだろうか。
ジェット戦闘機を巧みに操るゴルゴ
多様な乗り物を巧みに操るゴルゴ。『ミステリーの女王』ではロッキードF104、『偽空座標X』ではF-15を乗りこなしており、本作ではロシア製のジェット戦闘機や中国製のコピー機が登場する。
本作に登場するSU-35はロシアから中国に供給されたもので、輸出向けに性能を絞っている可能性はあるものの、ゴルゴは「ググッ!」とうめきながらもコブラ(機首を立ち上げ急制動する高度な技)をこなしている。1カ月の特訓でウクライナのベテラン操縦士を超える技量となったゴルゴ。東と西の戦闘機を乗りこなせるのはゴルゴくらいだろう。
ゴルゴはどこに脱出した?
戦闘機の工場爆破も依頼されたゴルゴは「仕事は狙撃だけ」と言いつつ、条件付きで了承し、中国高官や軍人を爆殺、工場を爆破している。気になるのは脱出経路だ。ゴルゴの戦闘機は海上を飛び去った。
東シナ海に向かえば沖縄の自衛隊やアメリカ軍が、南シナ海から南沙諸島なら、それこそ人民解放軍や台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシアなどが見張っている。SU-35であればアメリカ軍が高値で買ってくれそうだが、ゴルゴが小遣い稼ぎをするはずもない。定期的に報酬を払って『餓狼おどる海』のアルフィーを船で待たせていたのかもしれない。
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研 修治
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