この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第45巻収録。手塩にかけて育てたコマンド部隊をゴルゴよって壊滅させられた過去をもつキース大尉。彼はゴルゴへの復讐を遂げるため、人呼んで「悪魔の軍団」と呼ばれる特殊部隊を新たに育成した。部隊の初仕事として新興宗教の教祖暗殺を請け負うが、教祖の身柄を確保したときには、すでに眉間に銃弾が撃ち込まれていた……。ゴルゴvs悪魔の軍団!
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非武装状態からの逆転劇
ゴルゴといえば素手でも強いのは『査察シースルー』にてヘビーウェイトのチャンピオンを倒したことからも明白だ。しかし本作のゴルゴは更なる荒業を披露する。
それは手錠をされた状態で武装した特殊部隊を壊滅させる、というものだ。もちろん終始素手というわけではなく早々に不意を突いて銃器を奪うのだが、それにしたってかなりのハンデである。
そのせいかゴルゴの目の前で彼の殺害指令を出したキース大尉を仕留めそこなっている。それがこの物語の起点となっているわけだ。
ゴルゴに撃たれて生還した男
登場人物で注目したいのはゴルゴが仕留め損なった男、キース大尉だ。ゴルゴに部隊を壊滅させられた際、片目を失うだけで生還した強運の持ち主。特筆すべきは彼の訓練手腕である。
犯罪者を鍛え直した部隊、通称「悪魔の軍団」の活躍は凄まじく、夜間で視界が悪い中、クロスボウを心臓に命中させる、ハリガネによる絞殺、投げナイフを首に命中させるなど、音も立てずに次々と敵を始末していくのだ。
彼らの活躍もみどころの一つだが、出来の悪いものは刑務所に戻すという過酷な訓練課程もみどころと言えるだろう。
共通のターゲット
本作で面白いところは、ゴルゴに恨みを持つキース大尉がゴルゴ殺害の依頼を受けるわけではなく、ゴルゴと共通のターゲットを狙うことになる点だ。
ターゲットについてゴルゴとキース大尉が交互に別クライアントから説明を受ける構成から、この二人がターゲットを巡って対立するのか共闘するのか、読者は想像を掻き立てられていく。
そのまま本作最大のみどころであるターゲットの潜伏場所のシーンへと突入し、読者の緊張感は最大限に高まるという仕掛けだ。どちらが先にターゲットを始末できるのか、利害が一致している二人の決着は着くのか、物語は最後まで先の読めない展開になっている。
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小摩木 佑輔
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