この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第166巻収録。酒場の店主・ニックは、オリジナルカクテル「天使の一滴」の由来を常連客に語り出す。それは娼婦のドロシーに入れあげた挙句、殺人の罪を着せられ自殺した青年ホレイショの思い出だった。ニックはドロシーが報復の銃弾に倒れた直後、店に現れた東洋人に復讐の天使の姿を重ねる……。
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消えた銃弾の謎
タイトルとなった「天使の一滴」は作中に登場するバーテンダーが自作したオリジナルカクテルの名前で、本作はこのバーテンダーが回想したり客に語りかけたりする形で進行する。もちろん作中ではゴルゴがターゲットを射殺しているようなのだが、バーテンダーの推測ながらもちょっとした工作をしたことで殺人事件は迷宮入りになってしまう。
その工作にいくぶん無理があるんじゃないのと思ってしまうのは私だけだろうか。特にターゲットの頭を貫通した銃弾が見つかったら、捜査の方向性がガラッと変わってしまうはず。もっとも当のゴルゴは完全に逃げおおせているのだが。
ながいみちのり流・仇討ちエピソード
ターゲットを射殺したゴルゴはバーテンダーのいる店に入って立て続けにスコッチウィスキーのダブルを二杯飲みほした後、「釣りはいい」と気前よく支払いを済ませて店を出て行っている。
まるで事件の様子を伺っているかのようだ。物語のラストでは、ゴルゴはすぐ後(前かも)にも別のターゲットを狙撃したことになっている。ダブルのウィスキー二杯程度ではゴルゴの射撃精度は揺るがないのだろう。
レシピを想像しながら読むのも一興
カクテル「天使の一滴」について作中で具体的なレシピなどは書かれていない。漫画を読んでいて分かるのはバーテンダーがシェーカーを使って作っていることと、ショートタイプのカクテルグラスにチェリー(ピック付きのオリーブかも)が入っていること。
ただし事件の真実を解き明かす鍵として、レザーノートの香りがするコロンが出てくるため、それに類した香りのお酒が使われているのかもしれない。それもほんの一滴。本作の他にお酒が絡んだ話には『誇り高き葡萄酒』『神の滴』『最後の酒』などがある。ゴルゴ気分でスコッチを飲みすぎないよう注意したい。
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研 修治
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