この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第151巻収録。ゴルゴの協力者である情報屋のジョイスが病に倒れた。ジョイスは、もう長くない自分の代わりに元テロ対策要員のピーターを推薦する。酒浸りの日々をおくるピーターが、ジョイスとゴルゴの信頼に応えようと奮闘する姿が清々しい短編エピソード。脚本:ながいみちのり
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ながいみちのり氏が描く、情報屋のプライド
銃器や兵器は元より、化学や文学、果ては企業情報まで熟知しているゴルゴの頭脳には驚かされるばかりだが、そんなゴルゴを支える情報屋の存在も見逃せない。ゴルゴが利用する情報屋は世界中に何人もおり、長年の付き合いがある人間もいる。時として裏切られることがあるものの、そんな裏切り者はゴルゴ自らの手で息の根を止めている。本作ではそんな情報屋にスポットが当たっている。
“お褒めの言葉”を引き出したピーター
長年付き合いのあった情報屋のジョイスが、死の間際で後継者としてピーターを推薦する。ジョイスいわく、「“心”がついていってない……」ような人間をゴルゴが雇うとは思えないのだが、なんとゴルゴはその頼みを承諾し、推薦されたピーターを新たな情報屋としてテストするのだ。
基本的にビジネスライクなところが目立つゴルゴだが、時として人間的な面を見せることもある。それで依頼をこなせないのでは問題外ながら、一定レベルに達していればOKなのだろう。特に本作ではピーターの伝えた情報にミスがありピーター自身も「プロ失格だな」と言うのだが、ゴルゴは想定内のリスクだったことに触れて合格との判断を下している。
際立つゴルゴのヒューマニズム
その後にゴルゴが回想する形で臨終間際のジョイスから明かされた事実があるのだが、それをゴルゴがどう捉えたと想像するかは読者次第。
他の話では「俺には関係ない」「依頼とは関係ない話をするな」と打ち切らせることが多いゴルゴながら、本作では最後まで語らせているところにゴルゴの情が覗いているとするのは言い過ぎだろうか。本作以外にも情報屋が活躍する話に『チェック・メイト』『プルトニウム239』『殺人マニュアル』などがある。ゴルゴが情報屋を活用する手腕を見比べて欲しい。
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研 修治
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