この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第75巻収録。保険会社の調査部長・ヨーコは、高額保険加入者の死亡事件が増加していることを調査していた。調査の結果、死亡原因は他殺で、しかも全て未解決であることが判明。未解決の原因がゴルゴの犯行であることに辿りついたヨーコは、ゴルゴへの連絡方法を潰してしまうという暴挙にでるが……。脚本:氷室勲
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会長ルグランの方針さえはっきりしていれば
ゴルゴ自身から、ゴルゴの仕事がリーズ生命の業務競合になっていないのかと問われたときに会長ルグランは「詐欺でなければリーズ生命は保険金を躊躇せずに払う」とはっきりと答えている。
それなのに、ブラッケンとヨーコはできるだけ保険金を払わない戦略へ突き進む。ルグランが明確に二人に方針を伝えていれば、起きなかった事案である。読者としては、おかげでゴルゴへの依頼システムの一端を知ることができたのだから感謝すべきか。

部下に持つならこんな人材ヨーコ
理詰めと抜群の行動力でゴルゴの依頼システムを破壊しようとするヨーコ。手垢のついた言い回しで恐縮だが有能キャリアウーマンだ。部下にするならこんな人材であり、ルグランがヘッドハンティングしたのも肯ける。
一方のルグランはゴルゴに「まさかあんたに保険に勧めても入るはずもあるまい!ははは……」と笑えないジョークを飛ばすあたり憎めない人物だが、仕事ではヨーコには敵わない印象だ。他にもゴルゴ13シリーズには『200年の輪廻』のバレストラ警視、『オーバー・ザ・スカイ』のリンダ(テレビディレクター)、『演出国家』のクレイン女史(国連安全保障委員会調査官)など、知と美を兼ねそろえた美女たちが多数登場している。
依頼における定型ルートと非定型ルート
漫画読者であれば誰しも一度くらい、ドラえもんの道具を借りたいと思うことやゴルゴに狙撃を依頼したいと思うことがあるだろう。そんな時に参考になるのが、今エピソードで明かされるゴルゴへの依頼定型ルートだ。
他に『300万通の絵葉書』で絵葉書を出す方法や『生存確率0.13%』で新聞で船員募集の広告を出す方法が明かされている。定型ルート以外では『ガリンペイロ』で行きずりのインディオの依頼を受けているし、『依頼保留』『禍なすもの』などでは拡声器の呼びかけに応じていたりもするので、偶然ゴルゴに依頼するチャンスが来ないとも限らないので覚えておくとよいだろう。

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片山 恵右

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