この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第128巻収録。ゴルゴへの連絡手段のひとつである「ガンと戦う少年パートリッジ宛に手紙を送る」という方法が、何者かによって妨害される。なんと300万通を越える絵葉書がゴルゴ指定の住所に送られてきたのだった。この事態が世間を騒がすに至り、情報漏洩源を突き止めるべく動き出すゴルゴだったが……。
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ゴルゴとコンゴ民主共和国の混乱
アフリカ大陸の中央部に位置するコンゴ民主共和国。中年以上の人であれば、1997年までの国名ザイールに馴染みがある人も多いだろう。また、鈴木宗男元衆議院議員の秘書の経歴を持ち、その後はタレントや大学教授としても活躍しているジョン・ムウェテ・ムルアカさんの出身国でもある。
その首都であるキンシャサは、モハメド・アリとジョージ・フォアマンが対戦した「キンシャサの奇跡」の地としても有名で、ボクシングファンであれば知らない人はいないだろう。そんなコンゴ共和国の混乱にゴルゴが深く関わっていたとするのが本作だ。
依頼料の相場は6桁アメリカドル
ゴルゴは恩人から無料で仕事を請け負うこともあれば、『アルヘンチーノ・ティグレ(アルゼンチンの虎)』では1億ドルを提示されている。そこで気になるのが依頼料の相場だ。送られた絵葉書に添えられた文面には、“二五万頭の象”“海岸線が三五万キロ”“四五万台売れた”のように6桁の数字が含まれている。
つまりこれをアメリカドル建てにした金額がゴルゴへの依頼料となるようだ。すると依頼料は最低でも10万ドル、2020年時点なら約1100万円となる。「それなら私もゴルゴに依頼できるかも」と考えた人がいるかもしれない。
驚異的な情報収集能力
本作ではそれ以外にもゴルゴに関して注目すべき描写が多い。過去の事件との関わり、使用可能な言語、裏切り者を許さない信条、連絡係との関係、各国首脳への連絡手段、現金主義など、1つ1つに興味深い現象が描かれている。
カナダのハリファックス海軍基地を訪れた際のやりとりも興味深い。高官のラクイエー参謀ですら、ゴルゴのひと睨みで冷や汗をかいて謝罪している。さらに話を聞き出したゴルゴは、「一片のウソもない、と、英国連邦の“国家元首”に誓えるか?」と尋ねて女王陛下に誓わせている。ゴルゴの情報収集能力の一端を垣間見たようだ。
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研 修治
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