この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第202巻収録。旧知の富豪から、ソマリアへと旅立つ娘のボディガードを頼まれたゴルゴ。同行したものの、武装組織に囚われ“首輪爆弾”と呼ばれる特殊な爆弾を仕掛けられてしまう。一方、タンカーを海賊に乗っ取られたイズモ石油は、ソマリア滞在中のゴルゴに乗組員の救出を依頼する……。脚本:品川恵比寿
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ゴルゴがボディ・ガード
序盤から女性とともにソマリアの学校を訪問し、情報収集するゴルゴ。ゴルゴ13を読み慣れた人なら意外な感じのする展開である。本作ではゴルゴはボディ・ガードを頼まれている。基本的にゴルゴはボディーガードを引き受けないが、『世紀末ハリウッド』『WHO!』など、いくつかの作品ではボディ・ガード役をこなしている。
今回はガード対象の女性が逃げ遅れてしまったため、ゴルゴも武装組織に捕まってしまう。対象者を守る義務が生じると、通常であれば楽勝の場面でも、このように捕まってしまうことが、ゴルゴがボディ・ガードを受けない理由の一つなのかもしれない。本作でボディ・ガードを引き受けた理由は明言されていないが、引き受けた理由を読者がそれぞれ推測するのも本作品の楽しみ方だろう。
首輪爆弾は実在するか?
捕まってしまったゴルゴは、首輪爆弾という、ネーミングと外観に間抜けさも感じる爆弾を取り付けられてしまう。実在するかどうかは疑問だが、これは携帯電話着信で起爆する仕組みになっており、取り外そうとするなど衝撃を与えた場合でも爆発する恐ろしい仕掛けだ。
もちろんこのようなものでやられてしまうゴルゴではない。それは百も承知だが、どうやってこの危機を乗り越えるのかの描写が見どころだ。あえて結論をいってしまうと、ある石を使う。しかも、かなり大雑把。トラックに山積みするだけで本当に大丈夫なのだろうかと心配になる。詳しくは本作品を読んでみてほしい。
ソマリアにおける“わかめ酒”とは
本作の舞台はソマリアである。そのソマリアでわかめ酒である。なぜソマリア人のイガールがわかめ酒を知っているかというと、日本人から教えてもらったそうだ。とんでもない日本人がいたものである。
イガール曰「“わかめ酒”と言って、何かの祝いの時にこうやって飲むんだってよ!」らしい。いやいや、飲まないし聞いたこともない。ソマリアで「わかめ酒」が出てくるとは思いもよらなかった。しかもストーリーの展開上、必須といえるものでもない。あえてわかめ酒を登場させた、さいとう・プロを讃えたい。
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秋山 輝
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