この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第119巻収録。摩天楼を震撼させている連続爆破事件の犯人が、新たに超高層ビル・コスモタワーに爆弾を仕掛けたと通告してきた。爆弾の解除に、かつて爆弾処理班で活躍したマッケイを指名し、さらに狙撃手を1名つけるよう要求する犯人。市警はすでに引退しているマッケイを呼び戻し、パートナーの狙撃手としてゴルゴを指名する。脚本:国分康一
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爆弾魔に対峙するゴルゴ
困難な依頼でも成し遂げてしまうゴルゴながら、結果的に人助けにつながる依頼も少なくない。本作では爆弾を仕掛けたテロリストを相手にしているし、『白龍昇り立つ』『皇帝と共に北へ向かう』などでも人助けを目的とした依頼を受けている。ゴルゴの意図は別にあるのかもしれないが、いわゆる“正義の味方”になるゴルゴも面白い。
さらに爆発物の処理に対してニューヨーク警察のベテランであるマッケイをパートナーとしている。『海へ向かうエバ』では、自ら時限爆弾を解体したゴルゴだが、我が身を任せる相棒としての能力を一瞬で見抜いたのだろうか。
頼もしい相棒となるゴルゴ
ゴルゴの相棒となったマッケイは爆発物処理のベテランながら、爆弾を処理し続ける心理的な負担に耐えかねたことで、一線を退いて教官に収まった。それはトランプでタワーを作ろうとして手が震えてしまい、「もう俺には爆弾処理は無理だ」と頭を抱えるほど。
しかし、「行動をともにする俺まで、恐怖心が消えていくようだ」と感じたマッケイはゴルゴに、「見事な腕だ」と称賛されるまでに復活している。敵とすれば逃れられないゴルゴだが、パートナーにすれば頼もしいことこの上ない。ただしゴルゴの厳しい叱咤激励に従うことができればだが。
ニューヨーク市警もお馴染みさん
本作で気になるのは依頼人達だ。爆弾魔から予告を受けたニューヨーク市警の総監は「狙撃者を用意しておけ」とのハンディに対して、部長を通じてゴルゴに依頼を行っている。つまり市警の部長クラスでもゴルゴを知っていることになる。
本作の発表は1996年。それ以前には『ハロウィン・ニューヨーク』『死臭の聖者』、以後にも『赤いトロフィー』『1億人の蠢き』などニューヨーク市警が絡んだ依頼やニューヨークが舞台となった話はいくつもある。もちろんゴルゴが捕まったことはない。ニューヨーク市警からすれば、「まーたゴルゴか」と思っていそうだ。
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研 修治
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