この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第4巻収録。NATOは旧ドイツ軍の兵器情報を東側に売り渡そうとしている、西側共産党員・リスナーの暗殺をゴルゴに依頼する。リスナー狙撃のためザルツブルグ入りしたゴルゴだったが、そこにはネオナチからの依頼で、同じくリスナーを暗殺せんとする暗殺者「魔笛のシュツカ」が待っていた……。脚本:K・元美津
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オペラのことを知らなくても楽しめる
モーツアルトは知っていても、モーツアルトのオペラと言えば?の問いにすらすら答えられる日本人は多くなかろう。そんな高尚で難解なイメージのあるオペラのうちモーツアルトの”魔笛”をモチーフにしたエピソードだ。
作中でも”魔笛の”概要が登場人物によって語られるが、普段オペラと縁遠いのであまり頭に入ってこない。ただしゴルゴ作品の良いところは、そのあたりをスルーして十分に楽しめるとことだ。今エピソードもそれに当たるので、安心して読み進めることができる。

気になるパミーナのその後
作中で語られるようにオペラ”魔笛”のパミーナは、王子タミーノとハッピーエンドを迎える。では今エピソードのパミーナはどうなるか。ジーノとの交際を断固認めてもらえず、自棄になったパミーナはウィーンの地でゴルゴとともにベッドを共にする。
その後ザルツブルグへ帰ったようなのであるが、正確な足取りは不明である。父であるシュツカを亡くしたことで、ジーノとの交際・結婚に手が届きそうなのではあるが……。自棄になったあたりの行動は世間知らずのお嬢さんぶりが際立っていたので、お節介ながら行く末が気にあるところではある。
シュツカの資産はどうやって形成されたか
シュツカの家屋敷を見る限り、相当な資産家である。デスクの引き出しの下のボタンを押すと、豪奢な書斎の壁にかけてあるヒトラーの肖像画の裏の扉が開くギミックなど、カネに糸目をつけない姿勢が窺える。
パミーナの世間知らずな育ちからして、ただの金持ちではなく結構な家柄のようだ。もともとの旧家を継いだのかもしれないが、そういった旧家こそ維持費が多大にかかるものだろう。200件の”作戦”(殺し)では報酬を受け取っていなかったとのことなので、どのように所得を得て、資産維持・形成していたのか興味深いところである。

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片山 恵右

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