この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第59巻収録。死亡したと思われていた元アルゼンチン大統領ペロンが生きていた。よってスイス銀行に眠ったままの80億ドルもの財産が、アルゼンチン側に譲渡される可能性が浮上。フォークランド情勢において不利な立場に立たされることを懸念した英国海軍省は、ペロンの抹殺をゴルゴに依頼する。
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ゴルゴ史上最高額!1億ドルの狙撃依頼
「アルゼンチンの虎」と呼ばれたペロン元大統領の狙撃のため、イギリス海軍省に招聘されたゴルゴ。国家規模の依頼ということもあり、今回の報酬額はなんと1億米ドル。
同作中で80億ドル=2兆円とあるので、1億ドルは250億円! ゴルゴ史上最高の報酬額として知られるこの記録は、2020年現在も破られていない。
ちなみに2010年発表の『標的は陽気な悪魔』では、通貨価値の下落を承知の上で、1300京ジンバブエ・ドルで依頼を引き受けるくだりが話題になったが、その価値は受任時点で約12億円であり、本話には遠く及ばない。
起伏に富んだ展開でゴルゴの活躍を堪能
史上最高の報酬額で知られる本話だが、物語のスケールも十分それに見合うものだ。海軍首脳陣とゴルゴのやりとり、最新戦闘機シーハリアーでの敵地突入、病気を装っての病院への潜入、様々な困難をかいくぐっての狙撃、死力を尽くした脱出劇と、起伏に富んだストーリーが息つく間もなく繰り広げられる。
極めつけに、最後は戦闘機の機上から敵機のミサイルをライフルで迎撃するという衝撃のアクションも描かれ、映画のような満足感がある。ゴルゴがあまり登場しない長編も多い中、最初から最後までゴルゴの活躍がたっぷりと味わえる一作である。
ゴルゴの信用を得た協力者達の奮闘も見所
協力者に対するゴルゴのスタンスも興味深い本話。アテンドを務めるパイロットのベルファスト中佐のことはすぐに受け入れているが、現地での協力者であるマージョ神父が錠剤の説明をしてきた際には、神父自身にその薬を飲むよう迫って彼を見極めていた。
何かとオドオドした表情を見せることの多いこの神父だが、病院ではゴルゴの手足となって任務に貢献し、最後は身を挺してゴルゴの逃走を助けている。一方のベルファスト中佐も、クライマックスでは見事な操縦でゴルゴを敵地から生還させており、総じて協力者の奮闘が目立つ一話だったといえる。
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東郷 嘉博
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