この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第117巻収録。ライフル射撃でメダルを期待されるメアリージョー。本番を前にしてスランプに陥った彼女は、街の射撃場でフルマークを叩き出した東洋人(ゴルゴ)がいたという話を聞く。やがてゴルゴと出会い、一夜を共にするメアリージョー。スランプ脱出のヒントが欲しいと語る彼女に、ゴルゴは拳銃を取り出し銃口を向けるのだった……。
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ライフル競技者の悩み
最高得点を連発するモニカ、どうしてもモニカに及ばないメアリージョーの二人が織りなすストーリーだ。ダーレン社の新型ライフルを手に、金メダル候補と称されるモニカに対し、伸び悩むメアリージョーの心理描写が非常に上手く描かれているぞ。
競技者としての葛藤、新型ライフルだけではなく自分を高める方法を探る日々……。苛立ちを募らせるメアリージョーは、精神面に何かしらの問題があると考えた訳だが、その壁を乗り越える方法が分からない。どうしても解決の糸口が掴めないメアリージョーは、ふと車を走らせ生まれ育った田舎の射撃場へと足を運ぶのだが、そこで彼女が見た物とは……。
寡黙な東洋人
軍用銃でフルマークを叩き出した人間がいるとの話を聞いたメアリージョー。俄かに信じがたい話だったが、標的と弾丸を見た彼女の興味は一気にその奇跡とも言える射撃の腕に釘付けである。
どうやらその射撃をした人間は東洋人らしいとの情報を得た彼女は、どうしても彼に会いたいと思った訳だな。その東洋人を探すべくダウンタウンへと向かうメアリジョーだったが……。クールな表情からも、その東洋人が何者なのかは読者ならばすぐに推測できるだろう。ダウンタウンで暴漢に襲われた彼女を救ったのは、まさにゴルゴだった。
競技者とプロとの違い
集中力と虚心のヒントをゴルゴに教わったメアリージョーは壁を超えたのであろうか、旧型ライフルであっても最高得点を連発するようになるまで成長を遂げた。同じくして、ダーレン社の野望を打ち破るべくゴルゴが依頼を受ける……。果たしてどのような方法でダーレン社の銃の技術を暴くのであろうか、これは唸らせられる見せ場だぞ。
給水塔から狙撃の狙いを定めるゴルゴ。何の目標を撃とうとしているのか、メアリージョーとモニカの勝負の行方は……。同じ射撃をする者ではあったが、そこには競技者とプロとの大きな壁があったのである。競技者として悩むメアリージョー、プロとして仕事を遂行するゴルゴ、この二人の対比が実に見事な作品である。
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滝田 莞爾
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