この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第2巻収録。アフリカ大陸・ガボン共和国で軍部のクーデターが発生し、政権が転覆した。ゴルゴはクーデター首謀者のオーバーメ将軍の暗殺を請け負うが、狙撃の直前に何者かがゴルゴを出し抜き、将軍を狙撃してしまう。狙撃犯として捕らえられたゴルゴは銃殺刑に処せられるが……。そこには軍部の利れ者・カイヨーテ参謀の陰謀が隠されていた。脚本:小池一雄
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ゴルゴ史上最大の危機
任務の性質上、常に危険と隣合わせなゴルゴ。本作の彼はいつにも増して危険スレスレだ。何故なら本作のゴルゴは回想シーンを除いて終始両手を拘束されている上、上半身は裸、武器の携帯ももちろん出来ない状態で話が進むからだ。
過去にも『色あせた紋章』では大勢の兵士に囲まれたことはあるし『檻の中の眠り』では監獄に囚人として潜入するため武装できない状況もあった。しかし本作ではその二つの状況が組み合わさっているのである。ゴルゴ史上もっとも絶体絶命といっても過言ではない本作。ゴルゴはこの窮地をどう切り抜けるのか……?
参謀カイヨーテに注目
本作ではゴルゴが終始無力化されているため、周りの軍幹部が主導権を握る展開となっている。その中でも一際目立つのは、軍部きっての切れ者と称される男・カイヨーテ大佐だ。この男、一見するとゴルゴの味方のように振舞うのだが、軍事法廷の場に移った矢先に「ゴルゴの銃殺刑は当然のこと」等々、敵なのか味方なのか分からない言動を繰り返す。
物語中盤からはドルトン准将にも注目だ。ゴルゴの回想では彼が発行した通行許可証により本作のターゲットであるオーバーメ将軍の狙撃ポイントに向かったことが語られ、他にも数々の証拠をカイヨーテによって暴露される。カイヨーテとドルトン、二人の舌戦も本作のみどころだろう。
ゴルゴの処刑から始まる
大量の黒人兵士、上半身裸のゴルゴの左胸にXのマーク、何の前置きもなくゴルゴが連行、銃殺されそうになるというショッキングなシーンから始まる本作、続きが気になる構成になっていて掴みとしては上々だ。上記処刑シーンとその顛末も十分にみどころなのだが、本作の一番の見どころは軍事法廷の場で両手を拘束されたゴルゴの逆転劇に他ならない。
「熱いな……さすがにアフリカだぜ」というゴルゴの台詞を皮切りに物語の真相に向けて急展開を迎える。カイヨーテ、ドルトン、そしてゴルゴの壮絶な舌戦は見ごたえ抜群、一風変わったゴルゴシリーズを楽しみたい読者にお勧めしたい。
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小摩木 佑輔
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