この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス未収録作品。別名“隣にいる暗殺者”。至近距離からの暗殺を専門とする正体不明の暗殺者・ストラウブが登場。彼の標的となった男から、ストラウブ排除の依頼をうけたゴルゴだったが……。姿、名前、職業を自由自在に変え、標的に接近するストラウブとの息詰まる決闘。
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好敵手がゴルゴに優る能力
ゴルゴの好敵手として誰を思い浮かべるだろうか。『鬼畜の宴』のスパルタカス、『未来予測射撃』のジョン・スミス、『極北のテロル』のデゴス、もしくは『落日の死影』のAX-3かもしれない。本作に登場する殺し屋ストラウブは“隣にいる暗殺者”の別名を持つ接近戦のプロ。
前編では彼の活躍を2件描いており、どちらもターゲットの喉をスッパリ切り裂いている。どうやら身体能力はゴルゴに匹敵しそうだ。また、近づいての殺しを得意とするからだろうが、変装のテクニックやコミュニケーション能力は明らかにゴルゴをしのいでいる。
8億ドルを投じた一撃
ストラウブはゴルゴを殺すため、2003年の建造当時に世界最大級の豪華客船「Queen Mary 2」を爆破した。それは極限的な状況に自らを追い込んだ上で最高の悦びを得られる標的、つまりゴルゴを殺す異常嗜好を満たすためと明かしている。
なお同船の建造費は約8億ドル(当時の為替レートで約900億円)だ。医師に変装したストラウブは、最初の攻撃でゴルゴの右手の甲を傷つけた。メスに毒でも塗ってあれば、ゴルゴは危なかったかもしれない。しかし嗜好を満たすことに執着した点で、依頼のために最善を尽くすゴルゴの敵ではなかったようだ。
メスを送った意味は?
殺害場所や武器や手段など、受けた依頼を極力実行するゴルゴ。依頼人から「(ストラウブの)死の証を見せて欲しい」と聞いたゴルゴは、メスと対決時の会話を録音したボイスレコ-ダーを届けて、依頼人を満足させている。見方を変えれば殺人の証拠を残したものの、依頼人が警察に渡すわけもなく、家宝!にした可能性すらある。
ただし証はボイスレコーダーだけでも十分ではないだろうか。メスも合わせて送ったのは、わずかでも傷つけられた自戒の意味かもしれない。「メスに残った血を分析して…」をしていけないのは、ゴルゴファンなら言うまでもない。
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研 修治
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