この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第96巻収録。CIAの要職を歴任してきた“ある人物”は、JFK暗殺に関わる機密を保持するため、機密に関わった人間を暗殺してきた黒幕・マクガバンと、彼が使う暗殺者の始末をゴルゴに依頼する。暗殺者・グレタの宿泊先を突き止めたゴルゴだったが、そこにはグレタと同姓同名の民間人が宿泊しており……。
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見知らぬ人からのプレゼントには要注意
花束をもらうのは嬉しいものである。しかしそれが見知らぬ人からであり、さらに意味不明のカードが添えられていれば、美しい花も不気味に見えてくるだろう。そんなシーンで物語は始まる。
現在のようにデジタル社会ならホテルの予約には予約番号が振られ、同姓同名でも部屋を間違えることはないだろうが、そんなことができなかった時代にはホテルに同姓同名の人が予約していた場合、このようなミスはままあったに違いない。一人の女性が、グレタ・アントヌッティという名前であったが故に命を狙われる羽目になったのは、不運の一語に尽きる。
悲劇に見舞われ続けたケネディ家
J・F・ケネディ大統領暗殺後、弟のロバート・ケネディ元司法長官が大統領に立候補したが、直後に暗殺されている。その後もケネディ家の男子は飛行機事故など次々に不審な形で死亡し、呪われた一族とも言われた。
そんな中、ケネディ大統領の愛娘で当時幼女だった彼女の悲しみを慰めるべく捧げられた「スイート・キャロライン」という歌でも知られるキャロライン・ケネディは健在で、かつて駐日大使を勤めたこともある。彼女はメトロポリタン美術館に勤務していた縁からか、NY在住の秋篠宮家長女眞子さんをXマスパーティに招待している。
グレタにはエージェントの素質あり
女性は香水の匂いに敏感である。殺し屋のグレタはそこが甘かったが、咄嗟に彼女を危険人物と判断したグレタは、まさに「窮鼠猫をかむ」の心境だっただろう。化粧室から逃げ出した後、見知らぬ男を使って自分を待ち受ける殺し屋を巻くあたりは、エージェントさながらの見事な行動である。
しかし、さすがにホテルの部屋にたどり着いたときは疲労困憊していたにちがいない。人違いされた挙げ句、散々な目にあったグレタにとっては結局「ノー・リレーション」という結末になったのだが、悪い夢にしては、あまりに生々しい体験だったことだろう。
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野原 圭
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