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簡単なあらすじ
SPコミックス第96巻収録。スパイによる情報漏洩が止まらない西ドイツ連邦情報局。逮捕したスパイを調べたところ、その漏洩源は局内の高い役職に就いているらしい。ある日、情報局長官は金庫から機密書類が盗まれていることを知り愕然とする。なぜなら、金庫の番号を知っているのは彼の腹心の部下だけだったからだ……。
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タイトルをインターネットで検索すると
「ディープ・スロート(Deep Throat)」は「深く狭いところ」を意味する言葉。1972年にアメリカで公開された同名のポルノ映画が大ヒットしたこともあって、インターネットで検索するとアダルティな内容が出てくることが多い。
しかし同時にニクソン大統領が辞任に追い込まれたウォーターゲート事件もヒットする。こちらはタイトル通りに重要な情報源となる人物を意味する言葉でもあるからだ。作中には“ゴルフクラブの柄の意味もある”としている。それもあってかゴルフクラブが重要な役割を果たすのだが、こちらは本当なのだろうか。
ゴルゴへの依頼人は西ドイツ首相
ドイツ統合が進みつつある1991年に発表された本作。冒頭では1988年、モサド(イスラエル中央情報局)からの依頼でゴルゴはソビエトの元スパイを狙撃している。数年後、西ドイツの首相からBND(西ドイツ連邦情報局)に潜むスパイ、つまり情報漏洩源となる人物の暗殺をゴルゴは依頼される。
東西ドイツのみならず、ソビエトやイスラエル各国の首脳や高官が続々と登場するのだが、目ぼしい名前が出ているのはゴルバチョフ大統領のみ。西ドイツ首相も当時のヘルムート・コール首相そっくりに描いているものの、さすがに名前は出していない。
ゴルゴからの警告射撃
本作のキーマンはシュタージ(東ドイツ国家保安局)職員として西ドイツの情報を取り次ぎながらも、イスラエルに横流ししていた男だ。
彼は、「ゴルゴ13が私の正体を知ったら、踊らされたような気分がして、気を悪くするでしょうね」とモサドの同僚らと笑うのだが、そこに一発の銃弾が撃ち込まれ、ゴルゴが全てを見通していたことを示唆してエンドとなる。裏切りを許さないゴルゴながら、一線を越えていない相手に対してもけじめをつけるのを忘れない。『神の眼力』ではアメリカ大統領にまで警告したゴルゴ。モサドの高官など物の数にも入らないのだろう。
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研 修治
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