この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第150巻収録。ゴルゴも認めた天才スナイパー、ジョン・スミスが登場するエピソード。欲に目がくらんだ情報屋ビートの偽情報でコケにされたゴルゴとスミスは、同時にビートのこめかみを狙撃し報復する。そこで対峙したゴルゴとスミスは、お互いのプライドをかけて持ち弾を打ち尽くすほどの死闘を繰り広げる……。脚本:ながいみちのり
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なぜかオートマチッック式ハンドガンのゴルゴ
ゴルゴ愛用の銃器といえば“M-16”ライフル(『激突!AK-100vsM-16』参照)が有名だ。ハンドガンについてはリボルバー(回転弾倉)式を多用している。『キャサワリー』ではオートマチック式のジャミングの危険性についてコメントしてるゴルゴだが、今エピソードではオートマチック式のコルトガバメント45口径を使用している。
コルトの45口径はジョンの分析にあるように、破壊力はあるが弾丸の初速が遅いという特性がある。今回のゴルゴは実力が拮抗するジョンと決着をつけるための展開として、この特性をジョンが読み切った上で、見越し射撃で挑んでくることを利用したのではと思われる。
これぞ“未来予測”射撃
ゴルゴはジョンの囮動作に銃弾を放っている。普段ゴルゴはそのような囮には乗らない。しかしゴルゴはこの一弾を敢えて放った。その銃声でジョンがゴルゴの持つハンドガンを特定し、自身の持つ357マグナムとスペック比較をする。
ハンドガン同士、腕が互角なら初速の早いガンを持つほうが有利である、とジョンに読み切らせた上で先に動く様に誘い出し、圧倒的に初速の出るM16で仕留める。将棋でたとえるならジョンが三手先、五手先を読んで手を打っているのに、ゴルゴは最後の“詰み”から逆算して何十手先をも見越して勝負していたのだ。これぞまさに“未来予測”射撃である。
ジョン・スミスは強かった
ジョン・スミスは強かったのか……。ピートのスナイプがゴルゴと同タイミングだったことや、『弾道』ではトリックを用いたスナイプを、トリックなしでやってのけたことを勘案すれば強かったと評価してよいだろう。一騎打ちでゴルゴに銃弾を使い切らせているのは『鬼畜の宴』に登場したスパルタカスだが、本作のジョン・スミスも弾切れ間近までゴルゴを追い詰めている。
なお全くの余談であるが、ゴルゴの使用したコルトガバメント45口径といえば、ルパン三世の銭型警部の愛用銃。ジョンの使用したコルトパイソン357マグナムは、シティーハンターの冴羽獠の愛用銃である。
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片山 恵右
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