この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第2巻収録。金のブラックマーケットの台頭で国際金市場の混乱を危惧した銀行家・グリンヒルは、ブラックマーケットの大物・ギョールの暗殺をゴルゴに依頼する。ギョールを追って南仏海岸へ乗り込んだゴルゴだが、そこには恐るべし殺し屋・イクシオンとの邂逅があった。秀逸なラストシーンは必見。脚本:小池一雄
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ゴルゴの性格と無謀な戦法に注目
前作『黒い熱風』でも発生したゴルゴのターゲットの横取りから始まる本作。最初のみどころはズバリ、ゴルゴの性格とその戦略だ。その辺のチンピラなら儲けものと自分以外が狙撃したことを伝えるようなことはせず報酬を頂いて終わりだろう。しかしそこは流石にプロの殺し屋である。自ら自分じゃないと報告する誠実さを見せているのだ。
ちなみに『ロックフォードの野望 謀略の死角』でもそれを伝えた上で返金までしている。また本作でのゴルゴは強敵と対峙する前に下調べを行い、実力では敵わないと見るや、対決時に無謀とも思える戦法を繰り出す。それもみどころのひとつである。
視覚障害をもつ殺し屋イクシオン
本作で注目すべき強敵はゴルゴを超える銃の腕前を持つ殺し屋イクシオンだ。名前付きの強敵としては『デロスの咆哮』に登場したボネが記憶に新しいが、彼との対決はどちらかというと知恵比べといった感じだった。対してイクシオンは完全に銃の腕前だけで対決をする。胸が熱くなること間違いなしだ。
作中の殺害シーンもほとんどイクシオンが行っており、彼をクローズアップする意図を読み取ることが出来る。ちなみに彼は視覚障害を患っているため盲導犬ケンタウロスを連れているのだが、ケンタウロスの最後を以てして物語が幕を閉じるところもみどころと言えるだろう。
ゴルゴ史上初の決闘に注目
最大のみどころはなんといってもゴルゴとイクシオン二人の決闘だろう。前述のボネとも最後は1対1で対峙して撃ち合いを行ったが、どちらかというとゴルゴが追い詰めた結果の対峙であり決闘といった様相ではなかった。しかし本作では二人が時刻と場所を提示し決闘を行うという今までにない正々堂々とした闘いとなっている。
銃を持つゴルゴ相手に「いつでもいい…」と拳銃も懐にしまったまま棒立ちするほどのイクシオンをどう攻略するのか、その結末が最大のみどころである。ちなみに1対1の決闘と言えば『インディアン・サマー』でも似たような決闘を行っている。ゴルゴの決闘シーンをもっと見たい方はこちらもチェックするとよいだろう。
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小摩木 佑輔
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