この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第28巻収録。人気の競馬レースで番狂わせの大穴で一攫千金をねらうモーガン一味。モーガンは富豪のウォーレン卿を恐喝し賭け金を用意すると、人気馬の手綱を狙撃することでレースに番狂わせを起こす計画をたてる。狙撃手としてゴルゴに仕事を依頼するモーガンだが、ゴルゴはすでに別の依頼で動き出していた……。
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神業スナイプが披露されるかと思いきや?
狙撃による競馬の八百長が骨子となる本話。作中では走る馬の手綱を撃ち抜くとか、馬の耳すれすれを撃つといった方法が議論されている。
ゆえにゴルゴがそうした神業を披露する話になるのかと思いきや、彼は八百長を企むモーガン達を狙撃する仕事を請け負っていたという意外な真相が明らかになる。
それにしてもモーガンが語るゴルゴの神業の逸話には、いくらか尾鰭が付いているような気もする。「走る電車の窓越しに標的を仕留める」は実例があるが、「マッチ棒すれすれに撃って火をつける」は一体どこでそんなことをする機会があったのか……?
異例の報酬後払い? 気になる依頼経緯
本話はゴルゴの目的が読者にも伏せられているパターン。彼が英国賭事徴税委員会の依頼を受け、八百長の阻止のために動いていたことは、ラストシーンで初めて判明する流れになっている。
依頼の達成後、礼を言うためだけにゴルゴを呼び出した彼らに対し、「それだけの用件で……またおれを呼び出したのかと、聞いているんだ……」と苦言を呈するゴルゴ。
だが彼のポリシーに反するのはそれだけではなく、どうも今回は報酬が後払いだったようにも受け取れる台詞があるのだ。どんな経緯で引き受けた依頼だったのか、背景が気になるところである。
イギリスの競馬場がよく似合うゴルゴ
今回は普通に人間のヘッドショットだけで終わったゴルゴだが、競馬絡みの他のエピソードでは、モーガン一味の計画に匹敵する神業が披露されることも多い。
70巻の『血統の掟』では、ゴルゴは走る馬の轡を撃ち抜き、別の狙撃者も手綱を撃つという超絶技巧を見せている。さらに77巻の『汚れた重賞』では、走る馬にピンポイントで薬剤を打ち込むという驚愕のスナイプまでも登場するのだ。
それにしても紳士の嗜みの印象が強い本場イギリスの競馬は、ゴルゴの仕事の舞台にもうってつけという気がする。日本の競馬場だとこうはいかないかも?
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東郷 嘉博
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