この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第13巻収録。ゴルゴに構成員を殺された遺恨をもつ8人のマフィアのボス。彼らはゴルゴへの報復を決行するため、連合で凄腕の殺し屋・キャサワリーを雇う。キャサワリーはゴルゴが持病のギランバレー症候群を患い静養している、イタリアはマルタ島を決戦の舞台に選び動き出す……。脚本:K・元美津
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いつにも増してロジカルなゴルゴ
いつだってゴルゴはロジカルだ。そして今エピソードはいつにも増してロジカルだった。
- 手が触れた時の不相応な反応→“レズビアン”
- 老犬を追う目がハンターそのもの→“同業者”
- 手にする武器はオートマチック拳銃→“海へダイブしてジャミング誘発”
- レズビアン→“男性への潜在的恐怖”
と鮮やかにキャサワリーの正体を見極めた上で仕留めた。自身を見せつけて怯ませたのだから、その瞬間、ゴルゴのそれは屹立していたはずである。ダイブした海から岩場に這い上がり、キャサワリーの前に姿を現すまでの間にゴルゴがどのようにその状態を迎えたのか非常に興味深い。

意外に多いゴルゴへの“女”刺客
コーザ・ノストラの会議で発言のあったように、ゴルゴへの“女”刺客は少なくない。キャサワリーは彼女の性的嗜好から抜擢された感もあるが、腕前は悪くない。躊躇なく人を殺せる冷酷さはシリーズに登場する“女”殺し屋の中でもトップクラスだ。
“女”殺し屋には今エピソードのようにゴルゴへの刺客となる『三匹の女豹』などのパターンや、ゴルゴを利用しようとする『ペチコートレーンの夜霧』『ペルソナ・ノン・グラータ』、ゴルゴのターゲットとなってしまう『海へ向かうエバ』などのパターンがある。どれも腕利きの殺し屋であり魅力的な女性で甲乙つけがたい。
実は猫の島、マルタ島
さて、舞台は風光明媚な地中海のマルタ島である。東京23区の半分程度の面積に人口40万人と小さいがれっきとした共和国で国連とEUにも加盟している。観光資源として透明度が高すぎて水面にボートが浮かぶように見えるコミノ島のブルーラグーンや、世界遺産のバレッタ市街などがあるのだが、近年特に注目されているのが、猫の島(猫島)であることだ。
今エピソードでは、老いた野良犬がゴルゴに追い立てられるシーンが出てくるが、実はマルタには人口を大きく凌ぐ70万匹の猫が住むとされている。猫派のゴルゴファン(がいるとするならば)は要チェックだ。

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片山 恵右

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