この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第113巻収録。要人ばかりを狙う銃殺事件が発生。その手口がゴルゴにそっくりだったことから、ゴルゴは真犯人を突き止めるため調査を開始する。被害者の共通点を洗い出したゴルゴは、被害者が全員、臓器移植の手術経験者だったことを突き止める。その裏には契約者に優先的に最適な臓器を提供する謎の組織が暗躍していた……。
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ゴルゴの仕事におけるルール
ゴルゴの仕事には独自の手法や信条が垣間見られることがある。本作では独自の情報屋を使っていること、自分の物まねは放置しないこと、関係の無い人間には極力手を出さないことなどが描かれている。
また『ミステリーの女王』『情報遊戯』などのように、ゴルゴが邪魔者を排除する際には資金力や人脈をふんだんに投入することも確認できる。これも“ゴルゴ”ブランドの維持には欠かせない投資と言えそうだ。先に「関係の無い人間には極力手を出さない」と書いたが、作中では結果的にゴルゴに敵意を向けて殺されてしまう。これもまたゴルゴのルールだ。
死ぬ覚悟を決めた物まね屋
本作でゴルゴの狙撃方法をまねしたフランキー。偏執的な性格にこそ難はあるものの、それゆえか短距離でも長距離でも正確にヘッドショットを完遂する腕前は、ゴルゴシリーズでもなかなかのものと言える。作中で、「ゴルゴ13に、なりきるのだけが……生きがいなんだ」とまで言っており、ある意味では最高のゴルゴフリークに違いない。
フランキーがゴルゴに直接対決を挑むシーンは、冷や汗こそかいているものの結構格好よく見えてしまう。親をかばう情のある面も持っており、生き方さえ間違っていなければ、そこそこの人物になったのではないだろうか。
敵の協力者はどうなる?
本作で気になる点が1つある。ゴルゴの物まねをしたフランキーには情報分析で協力した友人のエドがいる。エドはゴルゴの過去のデータを洗い直しただけでなくフランキーにいろいろとアドバイスし、さらにはゴルゴに対抗する手段―可能性はたった2%ながら―を考え出してもいる。
ゴルゴに対して2%もの勝率を弾き出す作戦を考えた男をゴルゴは放置しただろうか。フランキーが死んだ以上、もう影響はないと考えたのか。それともゴルゴの調査網もエドまでは届かなかったのか。どちらにしてもゴルゴにあそこまで迫った頭脳は大事にして欲しい。
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研 修治
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