この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第30巻収録。密偵の仁三郎が、大盗・白根の万左衛門の娘・おせきを発見した。平蔵は高齢の万左衛門が、最後の大仕事を計画しているのではと推測。しかし一味の盗人宿では跡目争いが勃発していた……。一方、忠吾の初恋の女性・お道も登場。忠吾と細川の”恋のバトル”が勃発する。
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何杯でもいける菜飯の作り方
本作では木村忠吾の初恋となった女性であるお道、そして彼女の実家となっている菜飯屋「菊川」が登場する。忠吾が、「美味いっ!!これだ、この味だよ!!」と、同僚の細川も、「これなら何杯もいけますなっ!!」とする菜飯。
お道によると、「春の菜飯は、小松菜やみず菜を使いますが、秋から冬にかけては油菜を蒸して、細かに刻んだものをまぶします」とのこと。
おそらく素朴な塩味だろうが興味を誘われる。また、使う葉物は違うかもしれないものの、『女掏摸お富』『乞食坊主』などにも菜飯が出てくる。原作の池波先生も好物だったのだろうか。
本格と呼ばれた盗賊の最後
困った人から盗まない、人を殺さない、女を犯さない、の3つを守る盗賊が“本格”と評される。鬼の平蔵も本格の盗賊に対しては、罪を減じたりお目こぼししたりすることもある。
それでも畳の上で死ねた盗賊は少ない。白根の万左衛門は畳の上で亡くなったものの、娘やその婿の出来の悪さを知っていただけに心安らかに眠ったとは言い難い。
万左衛門の後を継いだ雨彦の長兵衛は、盗みに入る直前に平蔵達に囲まれて大人しく捕まっており、平蔵に、「さすがは本格の頭、白根の万座衛門一味、神妙である」と言わせている。長兵衛達は遠島くらいで済んだのだろうか。
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女好きな忠吾の初恋と純情
既に結婚して子供までいることを隠して菜飯屋に通う忠吾。最後までお道が初恋の相手であったことは明かさないままとなる。
言い出せない訳は、「何か大事な物が、壊れてしまうような……気がした」と思ったからだ。女好きな忠吾だが、意外に純情な部分を垣間見せている。
そんな忠吾に平蔵は、「ふらふらして女房子供を悲しませるでないぞ」と戒めるものの、妻の久栄から、「お殿様も、そのお歳のころはいかがで、ございましたでしょうか」と言われて話をごまかす始末。居合わせた粂八が笑いをこらえるのも無理はないだろう。
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研 修治
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