この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第49巻収録。アマゾン密林の金鉱山。凶悪な山賊「ガリンペイロ」によりインディオの村が壊滅させられてしまう。妻子を斬殺されたマリオは、その復讐のためにガリンペイロ殲滅をゴルゴに依頼し息絶える。愛用の銃器にくわえ銃機関銃やロケットランチャーまで使い、徹底的にガリンペイロを叩くゴルゴのやり方は圧巻。脚本:北鏡太
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幸運なのか不運なのかマリオ
不運なマリオである。村人も家族も無残に殺戮されたことは不運であるが、ガリンペイロの下っ端からゴルゴの存在や依頼方法をを知り得たことは大いなる僥倖であった。これがまず第一の幸運。さらに一度断られたゴルゴへの依頼が最終的には受理されたことやゴルゴがガリンペイロへ復讐を果たしてくれたことは第二の幸運だ。
ただし、マリオは依頼の結果を知る前に死んでしまっている。だが、その死がなければゴルゴは依頼を受けてくれていなかっただろうことから、その死すら幸運の引きがねになっている。禍福は糾える縄のごとしである。

コスパなど気にしない男っぷり
ゴルゴへの依頼金は通常、高額で一般庶民には出せるような額ではない。とは言え、場合によってはコストに見合わない仕事も引き受けるのもゴルゴである。マリオからの依頼金である数粒のダイヤモンドではダシにした150万ドルやシープ・ランチャーの代金にはとても及ぶまい。そんな利益計算をしてみるのも面白いだろう。
それでもゴルゴが依頼を受けるのはなぜか。情にほだされたか。コスト度外視で引き受けた依頼はクラシカルな戦闘機を用意した『最後の間諜-虫-』や、敵の基地に乗り込む訓練のためだけにハリウッドに大規模なセットまで組んだ『崩壊・第四帝国狼の巣』などがある。
ジャングルに降り立つ150万ドル
ジャングルに降り立つ150万ドル。ガリンペイロをおびき出すための策だが、警察公安隊をもおびき出すことに。当時のブラジル官憲(警察公安隊)の腐敗ぶりが窺えるのも興味深い。『欲望の輪廻転生』では墜落した飛行機に積み込んだ大金の奪い合いが見られる。
また『おろしや間諜伝説』などの脚本を担当した外浦吾郎一が、自身の小説『河畔に標なく』(船戸与一名義)でミャンマー山岳地帯に墜落した200万ドルの奪い合いを描いている。ゴルゴとは無関係であるが読み応えある冒険巨編なので、ゴルゴファンにはぜひおススメしたい。

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片山 恵右

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