この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第7巻収録。ハイジャック犯の狙撃を請け負ったゴルゴ。しかし現場は広大な空港であり、超長距離狙撃でしか犯人を捕らえることができない。ゴルゴは米国でも5本の指に入る銃職人デイブ・マッカートニーを訪ね、超絶狙撃を可能にする銃を作らせるのだった……。ゴルゴが全幅の信頼をよせる銃職人・デイブが初登場する傑作エピソード。
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ゴルゴ13のビジネスパートナー初登場
ゴルゴ13は1話完結型の漫画だ。ゴルゴ以外のキャラクターはほとんどが1度きりの出演になる。これはゴルゴ13のシナリオが多くの脚本家によって手掛けられているというという事情も関係しているのだろう。ただ、何人かの例外がある。話をまたいでたびたび登場するキャラもいるのだ。
そんな彼らはゴルゴへの依頼や仕事道具に関わる立場にあることが多い。なかでもこの話は銃職人デイブ・マッカートニーが初登場する回だ。ここで登場して以来、たびたびデイブはゴルゴの仕事のためにプロフェッショナルとして腕を振るっている。デイブが登場する話が好きだというゴルゴファンは少なくないだろう。
デイブというキャラの魅力
デイブ・マッカートニーは一見するとゴルゴとは正反対だ。額は広く、厚い眼鏡をかけ、カギ鼻と出っ歯の小男。つなぎを着ている姿も相まって、どこかマスコットのような雰囲気すら感じさせる。性格も大衆が想像するプロフェッショナルとは遠い。口数が多く、クライアントの要望にまず文句を言う。ゴルゴもこの話のなかで「わめくなデイブ!」と一喝するほどだ。
しかしゴルゴは続ける。「あんたの技術のほどを聞いたからこそ、ここを選んだんだ……俺の注文に……イエスかノーか!?」比較的初期の話とはいえ、寡黙なゴルゴがエクスクラメーションマークを使って問いかける様子に、よほどデイブの腕は良いことが伺える。
ゴルゴは礼儀知らずではない
ゴルゴの問いにデイブははっきりイエスとは答えなかった。成り行きのように銃を作ることになったものの、合わせて弾丸も3時間で作れと言われ、一度はぴしゃりと断る。しかしゴルゴその人から「俺の依頼主がおれを信頼するように、俺はあんたの腕を信用しているんだ……」とまで言わせるのだ。
ゴルゴの名を知る銃職人として、彼からここまで言われて心が動かないはずがない。デイブが作った銃と弾丸を受け取ったゴルゴはデイブの目を見て「デイブ!ありがとう……」と伝える。デイブの心から満足している表情が印象的だ。かくしてデイブとゴルゴの付き合いが始まった。ゴルゴはこの回に限らず、デイブの仕事に感謝の言葉を述べている。そう、ゴルゴはマシーンではなくプロフェッショナルなのだ。
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大科 友美
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