この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第33巻収録。クリープランドの大物・ヌオールズは、自分が不治の病で余命わずかであることを通告され、生きているうちにゴルゴに殺された娘夫婦の仇を討つ決意を固める。空港に張り巡らされたゴルゴ包囲網。誰が敵なのか?ヌオールズが用意した必殺の刺客の驚くべき正体とは……?
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ゴルゴの慎重さを以てしても苦戦
本作でのゴルゴは持ち前の慎重さを如何なく発揮し、後述する強敵ヌオールズとの頭脳戦に挑む。ヌオールズの罠に対しゴルゴが周囲の人間をつぶさに確認する描写が多く彼の慎重さを伺わせる。そんな静かな戦いが本作の大半を占めているが、後半、ヌオールズのチェック・メイト発動時の激しいアクションシーンは必見だ。
ゴルゴお得意の横っ飛びからの連続射撃で次々に刺客を倒していく様は痛快の一言。ヌオールズの真のチェック・メイトによってゴルゴが銃弾を受けることになるが、そんな罠を彼がどのように切り抜けていくのかは本作を読んでみてほしい。
チェスの名手ヌオールズ
本作で登場する強敵はガチガチの頭脳派・ヌオールズだ。幾重にも張り巡らせた罠でゴルゴを追い詰めていく様はまさにチェスさながらである(作中でもゴルゴの状況を確認するときたびたびチェスの駒を進めている)。ゴルゴにも「チェスの好きな男だ」と認識されている彼が、どのような罠でゴルゴを追い詰めていくのか。
また彼の必殺のチェック・メイトがどのようなものなのか、そしてどのようにそれが仕込まれていったのかがラストで語られている。ここが本作最大のみどころと言えるだろう。また続編の『ステール・メイト』でもとんでもない作戦を披露するため、そちらでも彼の動向から目を離せないハズだ。
チェック・メイトに至るまで
物語の構成は序盤がヌオールズがチェック・メイトに至るまでの静かな展開で、後半はゴルゴというキングを目前としたときの怒涛のアクションシーンという緩急のついた物語構成となっている。チェック・メイト発動時にゴルゴが傷を負うほどの接戦、まさかの刺客等予想できない展開が繰り広げられ何度もそのシーンを読み返すこと間違いなしだ。
ゴルゴを狙う罠といえば、彼の金融資産をロックする『ロックフォードの野望』、ゴルゴへの依頼主を例外なく殺害する『ロックフォードの野望 謀略の死角』等があるが、本作ではそれらとは一味違った戦いが楽しめるだろう。
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小摩木 佑輔
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