この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第10巻収録。アラスカにあるCIAの秘密基地の職員たち数十名が忽然と姿を消した。基地内に残されていたカメラには、KGBきっての凄腕工作員“隼のイエス”の姿があった。CIAの依頼をうけたゴルゴとイエスの息詰まる決闘!1話完結かと思いきや、ここから5話連続となる怒涛の長編がスタートする。脚本:K・元美津
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ゴルゴも射撃を外すほどの苦闘
ゴルゴと言えば対峙した相手をその卓越した射撃テクニックでバンバン倒すイメージをお持ちだろう。それは『ANGRY WAVES』『ナチス鉤十字章は錆びず』等を見ても明らかだ。しかし上記2作品に関してはゴルゴがいろいろと下準備を進め、イニシアチブを握った状態で戦闘に入っている。
本作品では相手が下準備を進めている罠の中にゴルゴが乗り込むという逆パターンを展開することになるのだ。さしものゴルゴも準備が万端でなく不利な状況下。射撃を外してしまうほどの苦戦を強いられることとなる。が、その状況をどうやって打破するのかが本作のみどころである。
強敵イエスの手口に注目
「射撃の腕はもうひとつ」とゴルゴに評されるものの、そのトリッキーな戦術で彼を苦しめる“隼のイエス”に注目だ。前述でも述べたがゴルゴを不利な状況に追い込みその射撃を外させるなど立ち回りも一級品。ゴルゴですら追撃を躊躇うその戦術は見逃せない。
ある特殊な能力を用いて物語の舞台であるスパイ基地から隊員を次々と「消し去って」いく。あのゴルゴに冷や汗をかかせ、短時間で2回も驚愕させるなど、その脅威度は折り紙付き。ゴルゴですら見抜けなかった彼の能力が物語の鍵を握っており、種明かしのシーンもみどころのひとつだ。
謎が謎を呼ぶミステリー風の物語
本作の物語は強敵イエスを中心に描かれるミステリー風の作品だ。もぬけの殻となっている生活感残る基地。そこにいた隊員達のゆくえは?その手口は?……と多くの謎が散りばめられた状態から話が始まる。そんな暗中模索の状態でゴルゴが登場し、すぐさまイエスとの心理戦が始まるのだ。
本作の一番のみどころは二人の知恵比べ的な応酬だろう。様々な手段でゴルゴを追い詰めるイエスとそれをなんとか凌ぐゴルゴの手に汗握る攻防が楽しめる作品だ。またゴルゴとイエスの対決を通して冒頭の謎が徐々に明らかになっていくのも面白い。そして物語は次話『鎮魂歌に牙を』へと繋がるわけだ。こちらの作品もゴルゴが死を覚悟する描写があるなど、みどころの多い作品となっている。続けて読むことでより楽しめるハズである。
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小摩木 佑輔
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