この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第121巻収録。南米の小国で独裁政権を目論む大統領の陰謀により、大臣のマティアスは大統領夫人暗殺の罪を着せられ絞首台へと送られてしまう。マティアスの息子・アロンソは、父には軍人として名誉ある死を遂げてほしいと考え、ゴルゴに刑の執行直前の狙撃を依頼する。しかし、この依頼に対してゴルゴは意外な答えを用意していた……。
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ゴルゴ13の名前の意味
13が不吉な数字といわれる由来はいくつもあるが、その1つに処刑台の階段の数だとするものがある。そんなタイトルの本作では、絞首刑の台に上がったターゲットをゴルゴが狙撃することになる。
そもそもゴルゴ13の名前について漫画内では「ゴルゴダの丘でキリストにイバラの冠をかぶせて殺した13番目の男」から来るとされている。が、そんな理由をゴルゴ自身が語っているわけではない。依頼者を始め他人の多くが「ゴルゴ13」「ゴルゴ」などと呼ぶものの、ゴルゴ本人は「トウゴウ」や「デューク・トウゴウ」と名乗ることがほとんどだ。
ターゲットが見えない狙撃
ゴルゴは直接見えないターゲットの位置を何らかの手段で確認して狙撃することがある。『リプレイ』では依頼人からターゲットに電話させることで、『アームストロングの遺言』では株式市場が開くタイミングでパソコンの前に座ることを見越して、いずれも見えない狙撃を成功させた。
本作で見えないターゲットを確認するのはテレビ放送。公開処刑の形を取ったことで、ゴルゴにターゲットの位置を教えてしまっている。テレビ局を招き入れたのが悪手となったわけだが、計算して弾丸を下に曲げて狙撃するゴルゴの超人的なスナイプ能力を予測するのは困難だろう。
意外だった依頼人の正体
ターゲットとなるのは悪政を批判する国防大臣で、言わば正義の側だ。冤罪で捕まった大臣が絞首刑となる前に“名誉の死”を与えるべく大臣の息子がゴルゴに狙撃を依頼する点で複雑な思いがよぎるものの、「その依頼は俺には受けるわけにはいかない」とゴルゴが断ることにも驚いてしまう。
にもかかわらず、大臣はゴルゴに狙撃される。ゴルゴファンなら二重の依頼があったことを察するはず。ただし問題は誰がゴルゴに依頼をしたか、だ。依頼人を予測できた読者は少ないのではないだろう。「燈台元暗し」と言ってしまえばヒントになるだろうか。
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研 修治
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