この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第93巻収録。カナダ財界は象牙の代用となるマンモスの牙を商品として育てるプロジェクトを進行していた。しかしソ連の科学アカデミーがこのアイディアを横取りしようとKGBを潜入させたことから、利権をめぐる二国間の争いが勃発。カナダ財界からの依頼で発掘現場へと乗り込んだゴルゴと、厳しい自然との闘いにも注目。脚本:新井たかし
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ビジネスになるマンモスの牙
かつて世界のアチコチを闊歩していたとされるマンモス。作中では発掘したマンモスの全身骨格を前に、「西側に持って行っても、五十万ドルはくだらないぞ」と大喜びする場面がある。
また、タイトルとなっている「マンモスの牙」については象牙の代用品としての取引が活発で「日本や西ドイツ、インドなどに、一kgあたり数百どドル単価で、年間二百万ドル近い売上を誇っている」とある。さらに近年では中国も輸入・加工してビジネスにしてるのだとか。「ここでも中国か」と思ってしまうものの、ゴルゴシリーズでまた1つ勉強になった。
皆を救ったゴルゴの機転
本作で注目したいのは、ゴルゴ達が乗っていた水陸両用のキャタピラ車が薄氷にはまりかけた時にゴルゴがとった行動だ。ゴルゴは持っていたM16をロープで縛った後、大木に引っかけることで脱出の手がかりとしたものの、結果的にM16はバラバラになってしまう。
とっさの対応ながら、「ゴルゴにしてはうかつな選択だなあ」と。車には他にも武器などをいくつも積んでおり、そちらを使えば良かったのにと思ってしまう。後の展開を考えれば、あえて無抵抗の身をさらすことでターゲットをおびき寄せた可能性もありそうだが、さすがに考えすぎだろう。
丸腰のゴルゴでも油断は禁物
ターゲットであるKGB高官のチェルネイフスキイ。ベテランとしての洞察力は鋭いものがあった。ただし当初はゴルゴに気づかず直接対面して、「やつらが雇ったプロが……ゴルゴ13だったとは」と驚いている。『モスクワ・プラトーン』『KGBの長い腕』などでゴルゴに関わってきたKGB。そのベテランであれば、ゴルゴを知っていても当然か。
しかしチェルネイフスキイは、「最初から……あ、相手が、あんただとわかっていたら」と悔やみつつ死んでいく。丸腰のゴルゴに油断したのはうかつだったが、ゴルゴを殺せる誘惑には勝てなかったのかもしれない。
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研 修治
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