この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第213巻収録。アメリカ大統領となって、めぼしい成果を上げることができていないプラント大統領。支持率低下に歯止めをかけたい陣営のスミスは、支持率アップのための狂言を成功させるために、ゴルゴに強力を仰ぐ。それは“ある物”を狙撃する高難度の狙撃依頼だった……。脚本:香川まさひと
スポンサーリンク
スマホ並に薄く軽くなった民主主義
説明するまでもなくプラントはアメリカ前大統領、ドナルト・トランプがモデルである。板切れのようなスマホ1枚で、自分を批判する者を罵倒し、民意を操り、自分におもねる者だけを重用する前代未聞のリーダーだ。知能も精神年齢もお子ちゃま並の彼を、親友トレーシーと娘婿ショーンが、互いに牽制しながらどう取り扱い、操っていくのかがテーマである。
今回の狙撃は一見簡単そうに見えるが、ガラスを打ち抜きつつ、スマホを傷つけずに吹き飛ばすという、銃弾の選択も含め、地味ながらかなり超絶技巧を必要としたのではないだろうか
ゴルゴとプラント、対局にある2人
「あんな奴と比べるな」と、ゴルゴには怒られるとは思うが、ゴルゴとプラントは見事に何から何まで真逆のキャラクターである。プラントのモデルのトランプに会った人は皆「ともかく熱量・熱気がすごく、その熱気が伝染する」と一様に語る。ゴルゴに会った人は皆、全身凍り付くような思いをしただろう。
この2人を足して2で割ればなかなか良い人物になるだろうに、世の中はうまく行かないものだ。ところで、キャプテンアリゲーターはなかなか可愛いキャラクターなので、もしかしたら夢の国本家から使用許諾のオファーがくるかもしれない。
再登場のときはカツラを狙撃してほしい
トランプが大統領だった頃、テレビに彼が映る度、ため息とともに幾度ゴルゴの顔が浮かんだことか。しかし『RBGの悪夢』の中で彼女が語るように、彼が落命すれば副大統領が職務を遂行し、むしろ共和党は大歓迎だろう。現在も次期大統領選への立候補を諦めていないらしいトランプ。
あくまで推測だが、彼の頭頂部はカツラではないかと考えている。もし再び大統領になるようなことが起きれば、ぜひ、シリーズにプラントを再登場させて彼のカツラをゴルゴに吹き飛ばしてもらい、赤っ恥をかかせてほしいと願うのはあまりに罪なことだろうか。
この作品が読める書籍はこちら


野原 圭

最新記事 by 野原 圭 (全て見る)
- ゴルゴ13:増刊第100話『獣の爪を折れ』のみどころ - 2024年8月18日
- ゴルゴ13:第485話『欲望の輪廻転生』のみどころ - 2024年7月30日
- ゴルゴ13:第520話『未病』のみどころ - 2024年7月29日