この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第139巻収録。某カルト教団の教祖の暗殺を請け負ったゴルゴ。敵陣に乗り込んだゴルゴは、教団とFBIが激しく繰り広げる銃撃戦に乗じて依頼を完遂する。が、その直後に大爆発が起き、建物が炎上する事件が発生。その裏には極秘に開発された生物兵器をめぐる、依頼人・ニールセンの陰謀が隠されていた……。
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7年前のカルト教団事件
本作では7年前に起きたカルト教団の事件を下敷きにしており、現実世界でも新興宗教に端を発する事件は少なくない。ゴルゴシリーズでは『地獄からの生還者』『死臭の聖者』などで新興宗教が登場するが、いずれも悲惨な最期を迎えている。
しかし過去をさかのぼればキリスト教、イスラム教、仏教などの歴史ある宗教でも宗門内外での騒乱を経験しており、現代でも収まる気配はない。新興であっても一律に区別するのは間違いだろう。
例えば『1億人の蠢き』では新興宗教「金鵬来」の指導者がゴルゴに狙撃されるものの、敬けんな後継者達がいることを描いている。

依頼人の裏切りを許さないゴルゴ
7年前の事件こそゴルゴが依頼を受けた狙撃だったが、その後は事件の謎を追いかけて独自に動いている。これは依頼人が隠し事をするのを許さないゴルゴのルールによるもので、『欧州官僚特別便』『海の鉱山』『感謝の印』『シャッター』などゴルゴから報復された依頼人は多い。
そんなゴルゴと同時に事件の謎を嗅ぎ取って動いたのが、カルト教団の生き残りであるイヴリンと、彼女を雇う3流雑誌の編集長アルマン。
しかしゴルゴの方が一足早く、アメリカ政府のダミー企業の社長であるニールセンはゴルゴからルール違反を追及された直後に狙撃されている。
ゴルゴが素通りしていった二人
当初はジャーナリスト魂に燃えるアルマンとイヴリンだったが、ようやく見つけた証人は殺され、ネタ元からは命の危険を警告される。そして翌朝の新聞で目にしたのは黒幕と考えていたニールセンの射殺記事。
「俺たちの知らないところで“何か”があって……それが終わったんだって事だけは……俺にもわかるよ」とアルマンは落胆した表情で語る。
ただしもう少し首を突っ込んでいればゴルゴに殺されていた可能性もあり、その意味では命拾いをしたとも言える。ジャーナリストとしても男女としても良い関係になりそうな二人の今後の幸せを願うばかりだ。

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研 修治

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