この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第52巻収録。人気劇画『ホテル探偵DOLL』の主人公・DOLLがゲスト出演した一話。DOLLが勤務するサンライズ・ホテルにゴルゴが宿泊客として現れる。ディナー会場でスリのチャーリィを捕まえ、DOLLに差し出したゴルゴ。脚本:K・元美津
しかし、DOLLの聴取をうけたチャーリィが「奴のふところにあったのは拳銃だった」と証言したことから、ゴルゴはDOLLの聴取を受けることとなる。ゴルゴとDOLL、一流のプライドが交錯する傑作エピソード。
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ジャズが聞こえてくるような小粋なエピソード
12月24日午前10時から物語が始まり12月25日午前10時まに終わる文字通り、クリスマスの24時間を描いた作品である。若い読者にはアメリカのテレビドラマ”24”を彷彿させるエピソードなのだが、もちろん今エピソードのほうが先駆けなのは言うまでもない。
雪の降り積もる“クリスマス”、舞台は“ホテル”、主要人物に美女の“ホテル探偵”と始終、洒落たジャズのナンバーが聞こえてくるような小粋さである。本作でゴルゴの前に立ち塞がる美女・ドールは、別作品『ホテル探偵DOLL』からのスピンオフキャラクターであることを付け加えておこう。
ゴルゴVSホテル探偵ドール
ゴルゴとドールの対決に派手なアクションはなく、二人の心理的駆け引きがみどころとなっている。ゴルゴのような男に一歩も引かない凛々しさを持つドールは、女性ながらなかなかの男前っぷりだ。
ドールの気性といい前髪ぱっつんのヘアスタイルといい、後のエピソード『一射一生』に登場するヒロイン・弥生に通じるものがある。ゴルゴも狙撃を邪魔されたくないという理由以外にドールに一目置いているのが、「あんたがホテル探偵なら……それは、あんたの手で探るがいい……」という発言からも見て取れる。最後はホテルからではなく正面から狙撃されたように細工してドールに対する配慮を見せている。
クリスマスの特別釈放
クリスマスだからといって、せっかく捕まえた犯罪組織の幹部を24時間の時限付きとは言え一時釈放するのだから、おおらかな警察である。しかも行先すら把握していないので、トミー・ナバロが国外逃亡を計っていたら簡単に成功していただろう。保安官からのとんだクリスマスプレゼントだ。
一方の組織のボス、ビッグ・アンディからのクリスマスプレゼントは裸エプロンならぬ、裸コートのコールガール。ナバロの冥土の土産にアンディも粋な計らいをするものだ。ナバロも本望だろう。
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片山 恵右
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