この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス未収録作品。INF全廃条約撤廃をめぐる米・ロの軍拡競争を軸に、ペンタゴンが放った自律型殺人ロボット「ヒョードル」とゴルゴの死闘を描く。女形AIロボット“シスル”や、「ペンタゴンのヨーダ」の異名をもつシャルールなど魅力的なキャラクターが登場する。
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妖怪&ロボットのコンビとゴルゴの対決
冒頭、残念ながらもはや歴史上の出来事になりそうな懐かしい場面が再現されている。ゴルバチョフとレーガンが中距離核戦略全廃に合意し、握手を交わしているのだ。その昼食会に、21世紀、まさかの大統領となったプラントが出席しているのには驚きだ。
ペンタゴンのヨーダこと総合評価局長・シャルールは窓のない部屋で策略を練るのが何より好きだという仕事人間だが、97歳までその地位にあるとは、もはやペンタゴンの妖怪である。結局実戦経験がなく、常に机上の理論で物事を判断を続けた結果が「慣れないマネ」をすることになった。
ゴルゴ御用達のバー
モチヅキとの会合に登場するのが、路地裏の目立たないバーである。もちろんごく普通のバーだが、ゴルゴの都合によりいつでも貸し切りにする約束なのだろう。おそらく一晩で店の売り上げ一ヶ月分くらいは支払ってもらえそうだから願ってもないことである。
店主は彼らの会話中テレビの方を向いているが、その耳には特製耳栓か、ワイヤレスイヤホンでテレビの音が流れているかどちらかではないだろうか。そうすれば読唇もできないうえ、内容を聞かれることもなく安心である。ちょっと古びた昔ながらのバー、さすがに彼は良い店を知っている
ペンタゴンの重鎮に驚きのタメ口
ペンタゴンが製作した死者の手「シスル」の最大の欠点は、ロボットの外見を可愛い女の子にしてしまったことだろう。97歳にもなる重鎮・シャルールに友達同様の言葉使い、いわゆるタメ口をきけるのは彼女だけだし、シャルールもそれを受け入れているのは、見た目が可愛い女の子だからではないか。
もし外見が若い男だったら「ロボットのくせにこの俺に指図するとは生意気な」と思って、いいなりにはならなかったのではないだろうか。目を閉じたシスルが「ごめんね。おじいちゃん。相手が悪かったみたい」とつぶやいているようにみえた。
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野原 圭
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