この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第158巻収録。中国共産党は尖閣諸島をめぐる緊張状態に火をつけ、その混乱に乗じて沖ノ島消滅を目論んでいた。リスク回避の下地をつくった中国側は、わざとその情報を日本側へリーク。事態を重く見た内閣調査室は、ゴルゴに計画阻止を依頼する。脚本:横溝邦彦
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島国はつらいよ、ゴルゴの銃弾が日本を救う
海に囲まれた島国・日本。国境を接しないため国土を侵犯されるリスクは低いが、領海については常に神経を尖らせなければならない。どんなに小さくても島がある限り、経済・安全保障等で様々な利点を有する。だから今作のように島消滅の危機は死活問題であり、海域を広げようとする国にとっては侵犯の第一歩となる。
岩礁にも近いような沖の鳥島に50億円の工費をかけて補強し、ゴルゴにミッションを依頼してまで守ろうとするのも、ここを失えば国土より広い海域を失うのだから当然だろう。安全にはコストが伴うことを改めて実感させられる
ゴルゴのファッションに注目
ゴルゴの制服制帽姿は実に凛々しく惚れ惚れする。スーツ、革ジャケットなど、女装以外どんな服も着こなすが、今回のスタイルはファッションランキングの3位以内に入るのではなかろうか。あらためてゴルゴの服飾を考えるに、一体彼はどこでどのようにして衣類や靴を調達しているのだろうか。
靴や革ジャケットははおそらくイタリア職人にオーダーメイド、シャツやスーツはイタリアに特注の生地を英国のテーラーに縫製させ、ネクタイはフランスで調達と思うのだがどうだろう。和服の着流しや羽織袴も似合いそうなので是非みてみたいものだ
あの人誰?乗組員達が誰も知らない凄い奴
描画を見ていて、なぜか微妙な違和感を覚えた。その原因は、ゴルゴがあの制服姿でライフルを手にしていたからだ。通常あのスタイルなら、携行するのは護身や接近戦用の短銃であり、あのように窮屈な服や制帽を着用しての狙撃は苦労だったことだろう。
調査船に同乗の乗組員達も、自衛官であれだけの腕を持つ男にさぞ驚いたことと思う。「彼がタイにいてくれて助かったよ」と内閣調査室は胸をなでおろしているが、ゴルゴからは「温暖化による海面上昇での島の消滅は、俺に泣きついたところで面倒みきれないぞ」という声が聞こえてきそうだ。
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野原 圭
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