この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第102巻収録。麻薬組織の幹部・エステバロは政府との和解に乗り出した組織のボス、ファビエの方針転換に納得できず、「自分達の支えは暴力とコカイン」だと訴える。一方、コロンビアのガリビア大統領は、ファビエと和解するようにみせて、じつはゴルゴを雇い組織の殲滅を企んでいた……。脚本:横溝邦彦
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コロンビアの麻薬産業は健在
コロンビアと言えば、麻薬、サッカー、コーヒーといったイメージだ。同士討ち作戦を主導したガビリア大統領は任期中、麻薬カルテル撲滅に取り組んだ大統領であった。おかげでカルテルの弱体化は進んで一定の効果はあったが、残念ながら、コロンビアが麻薬のイメージがなくなったかというとそうでもない。
実際のコカイン作付け面積は増える一方で、麻薬産業は優良企業の裏の資金源へと姿を変え健在だ。ガビリア元大統領は、「欧米に密売市場がある限り、南米の麻薬産業の撲滅は無理だ」と嘆くようになった。

いつでもどこでもだれとでも
マフィアやギャングのボスの愛人でも娘でも、ゴルゴはいつだってお構いなしだ。今回も泣く子も黙るカルテルの大立者が惚れぬく愛人・リヴェラとよろしくやっている。過去には『セクシー・タイガー』のレオ・キンブルの愛人・ミレーヌと、『楽園の汚染』ではフランク・ボネの娘・アンジーと。
いくら向こうから言い寄られても並みの男なら、腰が引けるところだが、リヴェラとはコカインをキメた後ベッドへ。2階から外にいる見張りにまで聞こえるくらいの声をリヴェラに上げさせている。テクニックもさることながら、度胸というか平常心がなんとも羨ましい限りだ。
浅瀬への決死のダイブ
見どころであるゴルゴのダイブに触れぬわけにはいかないだろう。15階建ホテルの屋上からのダイブであるから、エピソード内で紹介されている35メートルよりもゴルゴの方が高いことは間違いない。
位相が異なるが、Shllow Divingというスポーツ(?)がある。明確な規定はないようだが、水深30センチの子供用プールに10メートルほどの高さから飛び降りる競技だ。ギネス記録は第一人者のDarren Taylorという人物が保持している12メートル弱。単純比較はできるものではないが、ギネス記録をはるかに凌駕するゴルゴの身体能力には舌を巻くばかりである。

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片山 恵右

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