この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第51巻収録。巣鴨で米泥棒が発生。将軍に献上する”松茸道中”が巣鴨を通過する際、米泥棒が松茸を狙う可能性も考えられるため、平蔵は警備に乗り出す。
一方、米泥棒のアジトでは”謎の老人”が、泥棒たちに松茸泥棒を持ちかけていた……。平蔵も仰天した、シリーズ最大級のビッグゲストが登場!
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江戸幕府高官の一人である平蔵
火付盗賊改方長官の長谷川平蔵も江戸幕府高官の一人だ。『血頭の丹兵衛』『むかしの男』などでは、上司にあたる若年寄や時の老中である松平定信と親しく言葉を交わしている。
そんな平蔵だからこそ、本作のように徳川御三卿の一つで清水徳川家の初代当主となった徳川重好の顔を知っていても当然だ。その重好は、松茸を将軍に献上する松茸道中のお触れを読んで、
「松茸が、人より偉いか……ばかばかしい」
とつぶやいている。史実ではあまり恵まれた人生ではなかったとのこと。本作のように平蔵との関わりがあったとすればいくらかの慰みにはなっただろうか。
この葵の紋所が目に入らぬか
水を求めて訪れたあばら家で米泥棒に捕まってしまった重好は、「米はいかん、百姓が、困る!もとの所へ帰してやるがよい」と言って代わりに脇差や印籠を、「米よりずっと高くうれるぞ」と差し出している。
もっとも米くらいならともかく、立派な脇差や印籠では怪しまれて買いとって貰えないか、逆に買いたたかれてしまうのは『さざ浪伝兵衛』でも描かれている通り。
重好が葵の紋が入った印籠を出したところで、米泥棒は3人とも目を見開いている。まさに水戸黄門の一場面を思わせるのだが、そこで一同が土下座しないのは名のりがないからだろうか。
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紙一重で冴える平蔵の刃筋
松茸道中を襲って松茸を強奪する。そんな重好の悪企みに乗った平蔵は、重好の意図に反して行列の警護をしていた侍を切り捨ててしまう。
悲惨な光景に驚く重好の醜態は滑稽ながら、その後に諭しながらも平伏して事を治める平蔵の配慮は見事の一言に尽きる。
重好を欺いた血しぶきは、鶏の血を入れた袋を胸元に仕込んて切る平蔵の仕掛けだった。しかし切られ役の一人である木村忠吾は、「万一って事があるから」と牛皮を多めに2枚も巻くことで同僚の沢田小平次にからかわれている。この辺りの度胸が付けば、木村ももっと活躍できそうなのだが残念だ。
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