この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第45巻に収録。鎌で首を切られる殺人事件が発生。犯人は鎖鎌術に精通しているとみた平蔵は、彦根藩の心鏡流を訪ね手がかりを掴む。
容疑者として浮上したのは高利貸しを営むお琴だが、お琴の過去には驚愕の秘密が隠されていた。平蔵の一刀流vs心鏡流鎖鎌。
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美形の高利貸し・お琴
美形の高利貸し・お琴が登場するエピソードです。美形といっても男なんですけれどもね。見た目は女で、中身は男。だからタイトルが「おとこおんな」なんです。
お琴の本名は黒木荘三郎といい、心鏡流鎖鎌の使い手でもあります。陰間茶屋でしこたま稼いだあと、高利貸しに転身した経歴の持ち主。
陰間茶屋とは男性が男性を買春するための茶屋。世界有数の男色文化を誇った江戸の町では、大きなブームとなったそうです。
志乃の父親殺害の謎
お琴は下働きの下女・志乃とふたり暮らし。ある日、志乃の父親が殺害される事件が発生します。
火盗改方の捜査では、犯人は相当の使い手で、刀とは違った凶器を使用したと断定します。平蔵は鎖鎌術に詳しい人物への聞き込みを開始。ある事実を知ることになるのでした。
一方、「父を殺した」と出頭してきたのは志乃。父親に岡場所へ売り飛ばされそうになり、やむなく殺害したと自供します。さて、志乃が隠す真相とは……?
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鬼平犯科帳ならではの人間ドラマ
自身が経験した不幸な幼少体験によって、内面が冷え切っているお琴。一方、肉親に女郎屋へ売り飛ばされそうになり、人間不信となった志乃。こんな二人が互いを拠りどころとしていく描写は本作最大のみどころ。
それだけにお琴が平蔵に斬られる場面は切なくなりますが、それもひっくるめての人間ドラマが鬼平犯科帳ならではの魅力といえます。愛憎劇あり、ミステリーあり、アクションありの「おとこおんな」。お見逃しなく。
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秋山 輝
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