この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第48巻に収録。カリスマ掏り師・安市は普段、髪結いとして静かに暮らしている。一方、子供達に掏りをやらせて私腹を肥やす悪党・丑九郎は、ミスをした少年・〆太を折檻したうえに殺害する。〆太と面識のあった安市は、〆太の死体が川に浮かんでいたとを聞き、弔いを決意するが……。
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異色の仇討ちエピソード
この一編は仇討ちの物語なんですが、凄腕スリ師がアカの他人(しかも、スリ師修行中の子供)の仇を討つ異色の仇討ちエピソード。
仇討ちといってもスリ師ならではの方法で火盗改方に捕縛させる頭脳戦。相手を殺さない仇討ちエピソードはこの『掏獏戻し』だけですから、仇討ちファンのあなたも違った楽しみ方ができるはずです。
脚本はあの”火盗改方vs張り子の鬼吉”の三部作を担当した、シナリオライターの大原久澄さん。仇討ちエピソードは他にも『後継ぎ』『秘伝書』の二部作を担当されています。


伝説のカリスマ掏り師・安市
今回のエピソード、被害者が子供なんです。被害者が子供だというだけで秀逸な仇討ちエピソードになるんだなと、僕はこの作品で知りました。
そういえば、第三十三巻に収録されている『ねずみの糞』も被害者は少女。剣術指南役という皮を着た暴行魔に首をはねられてしまうんですね。
少女のお姉さんが仇を討つんですが、少女が無残な殺され方をしているだけに、その後の仇討ちがより痛快なものになっています。ぜひ併せて読んでいただきたい一編です。

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伝説のカリスマ掏り師・安市
今回の主役は髪結いを生業とする、元カリスマ掏り師・安市。密偵の友五郎が「只者じゃない」と報告してきた事から、平蔵もマークしていた謎の男です。
第八巻『流星』で平蔵の寝間に忍び込み、愛用の煙管を盗んだ友五郎。安市はその友五郎の尾行をも、いとも簡単に見破ってしまう特殊技能を披露します。
その安市が、子供達に掏りをやらせて私腹を肥やす悪党をお縄にするためのシナリオを書きます。火盗改方が安市に助けられる形で手柄を立てる異色作でもあります。


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秋山 輝

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