この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第167巻収録。『両洋の狭間に』『ODA異聞』につづき、ジャーナリストの梶本が再登場。アンティーク人形のコレクターとして有名な、ベネズエラの女性大臣・アンヘラの取材に訪れた梶本。そこでゴルゴと遭遇した梶本は、ゴルゴを取材に同行させるよう脅迫される……。
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この男は果たして運が良いのか悪いのか
『両洋の狭間に』でゴルゴを偶然見かけ『ODA異聞』で、またしてもゴルゴが依頼者と会っているところを見てしまった東洋通信社メキシコ支局の梶本。この確率は宝くじで1等を引き当てるより低いのではないかと思われるが、今度はついにゴルゴにロックオンされ、狙撃の片棒をかつがされる羽目になる。
怖いもの知らずとは恐ろしいもので、ゴルゴの記事を書こうなどと不遜な思いを抱いた報いなのかどうかは知らないが、ゴルゴをサポートすることにより、命がけのジャーナリズムに挑戦する絶好の機会を得た梶本の運命は果たしてどうなるのか。
アンティークドールは猫に小判の世界
「青い目をしたお人形はアメリカ生まれのセルロイド」という童謡をご存じだろうか。大量生産のセルロイド人形ができる前は、人形は皆布作りの手製であり『ターシャの庭』で有名なあのターシャ・テューダーは、古くなった洋服などを利用して子供達に人形を手作りしていた。
商品としても贅沢品の部類に入る人形だが、アンティークドールとなるとこれは別格である。コレクター以外にはその価値がよくわからないジャンルでもあり、人形より女性のヌードに関心の高い梶本や、売り払ってしまったターナーの妻などにとっては猫に小判なのである。
ゴルゴに睨まれた可哀想な梶本の行く末は
梶本は良い奴である。脅されるままに、ゴルゴをカメラマンとして取材先のガルシア大臣宅に同行するが、彼をを暗殺者だと思っている梶本は大臣の命が狙われていると考え、ゴルゴと別れた後、このことを警察に通報すべきか悩み、逡巡する。
しかし、結局自分の命惜しさにそのまま立ち去るのだが、その様子をしっかりゴルゴに捉えられていることに気づいていない。もし通報しようとしたらその時点で命はなかっただろう。あれが運命の分かれ道だったとは本人が知る由もなく、命を落とす代わりにスペシャルボーナスという幸運をもらったのだった。
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野原 圭
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