この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第未収録作品。日本屈指の超能力者・居島光来の遠隔透視により、秘密裏に裏切り者を探し出し抹殺に成功したCIA。しかし居島の息子たちがこの情報を新聞社にリークしようとしている事実が発覚し…。はたして居島光来は敵か味方か? 脚本:加久時丸
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舞台は静岡県の大室山
本誌予告で日本人らしき人物が登場すると分かり、「日本が舞台になるのかな」と期待したものの、アメリカのワシントンで始まるのは、やや肩透かし。しかし予告された人物が日本屈指の超能力者と知らされることで、「ゴルゴと超能力者との対決があるのか」と一層期待が高まってしまう。
紆余曲折をへて、スナイプの舞台は静岡県の伊豆半島にあるお椀山。実在する大室山をモデルにしているのは間違いない。大室山への登頂、スナイプ、そして脱出のいずれも工夫を凝らしているので、迷惑にならないようゴルゴ気分で聖地巡礼をしても面白そうだ。
生意気なパートナー
『世紀末ハリウッド』や『臆病者に死を』のように、依頼内容によって一時的にパートナーを持つことはあっても、特定の相棒を持たないのがゴルゴの流儀。ところが本作では天才プログラマーであるショーン・鍛冶屋が開発したAIを情報収集の一環で使っている。
会話中にゴルゴの偽名である十三郎を「偽名だよね」や「椿三十郎のファンだな」と突っ込んでいるのは苦笑するばかり。人間なら頭を撃ち抜かれても仕方ないが、ゴルゴは「AI、寝ろ」と命じている。鍛冶屋にAIのアップグレードを要求したゴルゴ。生意気な性格は残って欲しいがどうなるか。
再登場はあるか
日本屈指の超能力者である居島光来は、目が見えないまでも「あなたは分かっていらっしゃる」とゴルゴを認めた。二度目の逢瀬でゴルゴから依頼内容を明かされた彼は、自らの運命を受け入れたばかりでなく、ゴルゴにいろんな手助けをしている。
アメリカ陸軍の依頼をゴルゴなりのやり方で進めると言わせるほど、ゴルゴと心を通わせた居島光来。これほどまでにゴルゴを理解したのは、個人的に『震える修験者』に登場する修験道の師匠についで2人目ではないかと思う。ゴルゴが生かした以上、別の事件で再登場しそうな予感、というよりも再登場を期待したい。
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2024年6月現在、単行本化はされていません。単行本化までしばらくお待ちください。
研 修治
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