この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第204巻収録。2010年に発生したチリ鉱山落盤事故の取材で現地を訪れた梶本記者。生還者に聞くと地下に閉じ込められた人間は、生還した33人の他にも正体不明の男が1名いたのだという……。実際におこった落盤事故にゴルゴが関わっていたという仮説でせまるサバイバル・サスペンス。
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チリの大事件の陰にゴルゴがいた
地球を挟んで日本のほぼ反対側にあるチリ共和国。南アメリカ大陸にある細長い国と聞けば思い出す人も多いだろう。近年ではワインの名産地としても有名になっており、チリ産ワインを愛飲している人も多そうだ。そんなチリで1973年に起こったクーデターと大統領の自殺。
そして2010年にコピアポ鉱山で起きた事故にゴルゴが関わっていたとの設定で描かれたのが、この『33+G』だ。もちろんゴルゴによるスナイプは行われており、2人のターゲットをほぼ同時に殺害するというやや難し目の依頼だったものの、序盤早々であっけなく片付いている。
注目したいゴルゴのサバイバル術
本作で注目したいのは坑道に閉じ込められたゴルゴがいかにして生きのびたかだ。直前にスナイプを行ったゴルゴは、不信感を抱かれないまま初対面の作業員33人にすんなり溶け込んだだけでなく、彼らの生活スタイルを邪魔することなく、それでいて自分の流儀はしっかり押し通している。
閉じ込められた33人が神に祈りを捧げる場面では、「人が作りだした“神”を祈る気にはなれない」とすげなく断っている。信条は別として祈るフリだけでもすればやり過ごせると思うものの、フリであっても祈ることでゴルゴの持つ信条が崩れるのを嫌がったのだろう。
密かにゴルゴを手助けする人々
ゴルゴが坑道から脱出する手段も見逃せない。『最後の戦場』では、アフリカで飛行機の墜落に遭遇したゴルゴを、何人もの協力者がつないで救出した。本作でも、ゴルゴのメッセージを見つけたNSA(アメリカの国家安全保障局)の職員である“フルムーン”は、ブロンドのタクシー女性運転手“ブラックスワン”に手紙を渡す。
彼女からからどうつながったかは不明ながらも、業務請負会社を経営するらしい“テーブルサッカー”が大型ヘリコプターまで駆使してゴルゴを救出している。万一に備えて保険をかけ続けているゴルゴの用心深さに驚かされる。
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研 修治
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