この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第70巻収録。アルゼンチン軍部は、機密情報を握りイギリスへ亡命しようと企むアントニオの殺害をゴルゴに依頼。一方、アントニオに死なれては困るイギリスはMI6の精鋭部隊を送り込む。ゴルゴvs工作員ケネスの対決!『THEゴルゴ学』の女性キャラ投票で第10位にランクインしたクレオも登場。脚本:K・元美津
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今回はMI6の精鋭と激突!
1982年にイギリスとアルゼンチンの間で起きたフォークランド戦争(紛争とも)。結果はイギリスの勝利ながらも本作で、「フォークランド諸島の領地をめぐる紛争は、この先も起こるんだ」と描かれているように、きな臭い状況は続いている。
本作はそれを踏まえたアルゼンチンが舞台となっており、ゴルゴの依頼人はアルゼンチン軍部で、ゴルゴに敵対するのはイギリスのMI6だ。『17人の渇き』『イングリッシュローズ』『アナライズ・ウクライナ』などではゴルゴの依頼人ともなるMI6ながら、本作ではゴルゴを敵に回す愚策をとっている。もっともそれなりの理由があってのことながら、結果が敗北なのは必然だ。
メンヘラ娼婦のクレオが登場
本作でゴルゴはMI6をおびき寄せるために娼婦に情事の最中であるよう偽装を頼む。そこで娼婦が発するセリフが「ムーチョッ ムーチョス!!」だった。スペイン語でムーチョ(mucho)は「たくさん」「とても」などの意味で、複数形がムーチョス(muchos)となる。
先のセリフを適当な日本語に直せば、「いっぱい、いっぱいなの……」とか、「もっと、もっとたくさん……」くらいだろうか。そんなセリフをゴルゴが言わせたのか、それとも娼婦のアドリブかは不明だ。
クレオ登場はゴルゴのおとり作戦だった
当の娼婦をゴルゴは偶然街で買ったように描いているものの、正体不明のターゲットを確定させるための餌だったと生き残ったMI6のメンバーが推測している。娼婦に旅の目的を尋ねられたゴルゴは自分を保険の調査員だといつわって、「死んだと見せかけ、保険金をだましとろうとしたやつを捜しているんだ……」と返答をしている。微妙に真実の含まれた嘘を語ったゴルゴの心境は興味深い。
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研 修治
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