この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第110巻収録。航空機メーカー・ANNEX社が世界に先駆けて発表した「層流翼理論」。しかし、その理論は数十年も前に日本人・寺谷によって考案されていたことが発覚。秘密裏に寺谷から論文を買い取ろうとしたANNEX社だったが、拒否されたため寺谷を殺害してしまう。極東重工の中尾は寺谷との友情にかけて復讐を決意する……。
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1発の銃弾で飛行機を破壊するには
飛行機を1発の銃弾で破壊するにはどうすればいいか。『楽園の汚染』では水上機の底部に取り付けた爆薬を狙撃することで機体まるごと爆破させている。単純な方法だが実現するには超一流のスナイプ技術が必要だ。
本作でゴルゴは鳥を突っ込まるバードストライクで乗員もろともジェット機を破壊している。アメリカのアトランタという場所柄なのか、「離陸直前に破壊していただきたい」との依頼者の願いをかなえるだめだったのかは不明だ。巻き込まれた鳥には迷惑だけれども、ゴルゴの発想力の豊かさとそれを実現させる実行力には舌を巻くばかりだ。
特許をめぐって殺人や爆破も
本作で争いの元となっているのは航空機のパテント(特許)だ。アメリカ側の航空会社社長であるヘンリーは執拗なパテント主張に留まらず、技術者の殺人や重要な模型を保管していた研究所跡まで爆破すら許してしまう残酷さを見せている。
「そこまでするか」と思うのは私が日本人だからだろうか。今も昔もアメリカであればそのくらいやっても不思議ではなさそうだし、今の中国ならもっとえげつない手段をとりそうだ。日本がされるがままなのは歯がゆいものの、とうとう日本側の会社社長がキレてしまう。日本人を怒らせたら怖いのは今も昔も変わらないらしい。
狙撃に巻き込まれた多数の人々
ゴルゴが狙った航空機は離陸直前で滑走路をそれて格納庫にぶつかり大爆発を起こしてしまう。操縦かんを握っていたヘンリー社長は元より、同乗していた副パイロットや弁護士、博士らも即死に違いない。もちろん格納庫で働いていた従業員がいれば、彼らも巻き込まれたはず。
さらに社長と博士と新型航空機を一度に失った航空会社がそのまま存続できたとは思えないし、職員を大勢抱えていた弁護士事務所も立ち行かなくなったのではないだろうか。職を失った彼らはその原因がゴルゴの放った1発の銃弾とは思いもよらないだろう。
研 修治
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