この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第76巻収録。世界的画家・ゴーギャンの最後の作品が闇市場のオークションで落札された。落札者は絵画を転売して利益をだそうと考えているが、絵のモデルの孫であるゴーグにはそれが耐えられなかった。ゴーグは純粋に絵画を愛する画商・ロレンスの協力を得て、ゴルゴに絵を完全に消し去るよう依頼する。脚本:新井たかし
スポンサーリンク
ゴルゴは複数の依頼者から同じ仕事を受けるのか?
ゴルゴは依頼を遂行するにあたっていろいろなルールを設けている。その1つに複数の依頼者から同じ仕事を引き受けないというものがある。
ゴルゴのターゲットは重要な人物であることが多いため、少なからぬ回数で依頼が被ることがある。『マニトバ』などがその例だ。そんな時のゴルゴは先約を優先するのが常で、後発の依頼者に対しては既に別からの依頼があることを匂わせたり、それすらもしなかったりして依頼を断っている。
ゴーギャンの遺作、モデルの孫娘も登場
素人考えでは両方の依頼を受ければ一石二鳥で報酬が増えると思いがちなのだが、ゴルゴはそうしていない。ただし微妙に異なる依頼が重なった場合は、まさに一石二鳥でこなすことがある。本作がその例だ。
本作でメインに据えられるのは、「黄色いキリスト」「タヒチの女(浜辺にて)」などの代表作がある画家ゴーギャンの遺作「後ろ向きにすわるマルケサスの女」と、その絵のモデルとなった女性の孫娘であるゴーグ。無論、遺作も孫娘も架空の設定なのだが、読者に「ありそう」と思わせるものがある。
ゴルゴが語る“プロの掟”とは?
ゴーグの意思を受けた画商達はゴルゴに「後ろ向きにすわるマルケサスの女」の破壊を依頼し、ゴルゴが完遂するのだが、絵の破壊と同時にオークションにて高額で絵を落札した日本人社長も殺害している。
微妙に異なる二件の依頼を同時に遂行することは問題ないのだろう。先に“素人考え”と書いたものの、『蝶を射つ』ではゴルゴと敵の両方に情報を売った情報屋に対してゴルゴは「プロの掟を知っているな?プロは二重に仕事をひきうけないことだ……」と告げている。つまり漫画の中だけかもしれないがゴルゴならずともプロは二重の依頼を受けないらしい。果たして現実のプロはどうなのだろうか。
この作品が読める書籍はこちら
研 修治
最新記事 by 研 修治 (全て見る)
- ゴルゴ13:第644話『心を撃て!』のみどころ - 2024年11月28日
- ゴルゴ13:第643話『怪力戦士イヴァノバ』のみどころ - 2024年11月11日
- ゴルゴ13:第642話『女の平和』のみどころ - 2024年10月1日