この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第117巻収録。化学産業が、その処理に頭を悩ませる廃棄物処理問題。アッシュは独自に開発した廃棄物処理船「煙突船」を使って、EU各国の廃液処理を行うプロだった。アッシュの顧客であるジェット科学工業の会長・パッガードは、自身の汚職の秘密を知りすぎたアッシュを、煙突船もろとも亡き者しようと企む……。
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環境問題でもゴルゴは動く
国連の温暖化対策サミットで演説したグレタ・トゥーンベリさんにはいろんな意味で注目が集まっているが、環境問題をテーマとした本作でも環境保護団体であるグリーンポープに所属するオコーナーという女性活動家が登場する。
そんな彼女は化学会社や廃棄物処理会社などの企業側から“扇動的で目立ちたがり”と評されているものの、あながち偏見でもないらしく環境保護活動を通じて自分の名を売ることに躍起になっているような描写がある。そんな彼女は本作の最後で悲惨な目に合うのだが、それがどんなものかは実際に読んで欲しい。
ゴルゴはここで何をしていた
物語の中ほどで登場するゴルゴは夜の街で娼婦を買っている。そこでちょっとしたトラブルが起こるものの、ゴルゴは殴り掛かってきた男をあっけなく倒してしまう。それに感激した娼婦から、「商売抜きでサービスするわよ」と言われている。実にうらやましい。
その騒動が後にゴルゴへの依頼とつながるのだが、そこで(ドイツのハンブルグ)ゴルゴは何をしていたのかが気になる。『楽園の汚染』『ミッドナイト・エンジェル』などでは目的があって女性に近づいている。ここでも何か依頼があったのだろうか。それとも単に女性に飢えていただけなのだろうか。
一手先を読み損ねた企業家の末路
それ以降も出番のなかったゴルゴだが、物語の終盤になってようやく彼の依頼人とターゲットが明らかになる。「一手先を読み、対策を立てねば、企業家とはいえんぞ」と偉そうに言っていた化学会社の会長は、孫娘の結婚式というはれの舞台でゴルゴに狙撃されてしまう。背後に立っているのは彼の孫娘と結婚相手だろうか。
また、依頼人である廃棄物処理会社の社長はおそらく亡くなっており、先に書いたようにオコーナー女史も悲惨な目に合っている。皆が皆不幸となる結末。そんな現実が繰り返される憂さをはらすために、ゴルゴは夜の街に出かけるのかもしれない。
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研 修治
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