この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第135巻収録。欧州でも屈指の科学プラントグループの三代目・カールは、幼い頃から自分の自由を奪ってきた会長である父親を殺害する事を決意。ゴルゴへある条件付で依頼をおこなう。ターゲットが珍しい蝶の収集家であることに注目したゴルゴは、気が遠くなるような下準備をおこないターゲットをおびき出すのだった……。脚本:ながいみちのり
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依頼の条件付けを断るゴルゴ
巨大化学会社の3代目社長であるマークから父親の殺害を依頼されるゴルゴ。しかし狙撃の実行に1年後の条件を付けたことで、「流儀じゃない、他をあたってもらおう」と一度は断りかけている。これまでにも様々な狙撃を完遂してきたゴルゴだが、“狙撃の条件付け”は受けても、“依頼の条件付け”は拒否するようだ。
もっとも『ビハインド・ザ・プレジデント』では一定期間後の狙撃依頼を受けている。あまり長期間でなけれ先々の期日における依頼も可能らしい。結果的に本作でも依頼を受けていることからすれば、要は頼み方次第なのだろう。

餌にするのは一匹の希少な蝶
今回のターゲットが“狂”の字が付くほどの蝶コレクターであると知ったゴルゴは、殺害の隙を作るべく特殊な蝶でおびき寄せることを考える。それはアレキサンドラトリバネアゲハだ。まるで早口言葉にでもなりそうな名前だが、語源はかつてのイギリス王妃。
しかもロスチャイルド家の3代目当主であるウォルター・ロスチャイルドが命名したとのこと。生息地はパプアニューギニアの一部に留まり、全長約30センチと世界最大の蝶だ。さらに雌雄同体、つまり雄と雌の性質を合わせ持つアレキうんちゃらであれば、蝶コレクターをおびき寄せる格好の餌に違いない。
ゴルゴに女性の斡旋を頼む少年
ゴルゴが蝶の生産を頼んだのは、莫大な遺産を注ぎ込んで蝶の研究に取り組む自称“虫屋”の少年ネロだ。ネロはゴルゴに、「そう簡単には手放せないなァ」と生意気な口を叩いている。「約束を守らないのか」とかえすゴルゴ。
普段の彼なら撃ち殺しそうなものだが、希少種の標本をボーナスとして差し出しただけでなく更なる条件すら聞き入れている。それはなんと女性の斡旋だった。『餓狼おどる海』『Dabbie!!』でも子供に甘いゴルゴ。ラスベガスから女性を呼んでネロのベッドに送り込む。世界各国で女性と関係を持つゴルゴならではの人脈なのだろう。

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研 修治

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