この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第160巻収録。前話からの続編。黒田機関が送り込んだ切り札「江兄弟」との対決を制したゴルゴは、黒幕は誰なのかを推理する。黒田機関の本拠地に乗り込んだゴルゴと、黒田機関の精鋭たちとの激突。ラストは真の黒幕で戦時中の金品強奪の主要人物・高沢が登場し、驚きの事実が明かされる。脚本:竹内亨
スポンサーリンク
刮目!黒田千絵の死にざま
男気ある人物が多数するゴルゴシリーズであるが、黒田千絵のような女性は数少ない。彼女の死にざまにおけるオトコマエ純度の高さと言ったら他に類を見ない。初対面のゴルゴに対して息詰まる心理戦で堂々と渡り合い、事前の覚悟通りに自死を遂げている。
茶についての千絵とゴルゴのやり取りには固唾を飲むしかなく、お見事という他ない。また、千絵の死に殉じた黒田道場の二人もお見事な死にざまであったし、和弓で射られた矢の矢竹(柄の部分)を手刀で叩き折るゴルゴもお見事である。他に死にざまが見事な女性を一人挙げるなら『おろしや間諜伝説』のミッサーシュミットこと小柳美沙であろう。

グリーンベレーもデルタフォースも
「ゴルゴという化け物を倒すには、グリーンベレーにもデルタフォースにも出来る事ではない!」は登場人物・高沢会長のセリフである。デルタフォース(対テロ特殊部隊)は『最後の戦場』でゴルゴと対峙して、あしらわれており、逆にグリーンベレー(陸軍特殊部隊)は『沖縄シンドローム』で一時的にゴルゴの指揮下に入り作戦展開をした。
『沖縄シンドローム』に登場する伊波天臣の死にざまもお見事。ゴルゴに追い詰められて切腹による自死、その後ゴルゴの介錯として額を撃ち抜かれたにも関わらず「介錯痛み入る」と最後の言葉を発してから逝っている。
老獪な高沢会長をも手玉に取る人物
事件全体のシナリオを虚実交えてプロデュースしたのが高沢会長というオチで終わらずにもうひとひねりして着地するところが、この「その後」の存在意義である。それにしても、老獪な高沢会長のウラをかいたこの秘書らしき人物が誰なのか、知りたいところである。
伏線なく最後の最後で唐突に登場するあたり、ミステリでは禁じ手と言われそうな筋運びであるが、ゴルゴなので問題なしとしたい。言動からすると高沢会長は老害をまき散らしていたであろうから、狙撃されても同情の余地はないが。それにしてもこの人物の正体は一体……。

この作品が読める書籍はこちら

片山 恵右

最新記事 by 片山 恵右 (全て見る)
- ゴルゴ13:第211話『AZ4 CP72』のみどころ - 2021年11月14日
- ゴルゴ13:第410話『イリスク浮上せよ』のみどころ - 2021年6月11日
- ゴルゴ13:第283話『未来への遺産』のみどころ - 2021年5月20日