この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第154巻収録。アフガニスタンでボランティアに励む日本人女性の前に、NPOから一人の男性スタッフが派遣される。その人物はパシュトゥーン部族軍閥殲滅の依頼をうけて潜入したゴルゴだった。そうとは知らない日本人女性は、軍閥兵士に連れ去られたゴルゴを心配し、行方を追うが……。脚本:麦丘健二
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ゴルゴが心を許した女性
混乱の続くアフガニスタン。ゴルゴにとって飯の種になりそうだが、本作の他には『ゼロの反撃』『蒼狼漂う果て』くらいで舞台となるのは少ない。しかし依頼に備えてか、ゴルゴはアフガニスタンの公用語であるパシュトウ語とダリー語まで堪能だ。
現地でゴルゴを迎えたのは日本人女性でボランティア医師を務める平松。地元の部族集団が薬品などを強奪する現場に出くわすのだが、なんと平松に背後から右手(おそらく効き手)を捕まれてしまう。普段のゴルゴなら即反撃しそうだが、前夜にドクター平松から聞かされた本心がゴルゴの琴線に触れたのかもしれない。

ゴルゴのチャーミングな帽子
アフガニスタン南東部アブカラの難民キャンプに志願ボランティアを装って訪れたゴルゴ。白っぽいパンツに黒のトレーナー(セーターかも)、前面に4つのポケットがついたベストを着て、肩から鞄を下げている。ここまでは良いのだけれども、頭に乗せた白っぽい帽子が似合っていない。
柔らかめの素材でできたバケットハットを被っているのだが、波打ったツバが良い意味でも悪い意味でもチャーミング。せめてハンチングか野球帽くらいにしておいてはどうだろうか。この姿でどれほど歩いてきたのかは分からないが、すれ違う人の多くが振り返ったに違いない。
60億円もの基金を設立
結果的に依頼は達成したものの、ドクター平松に現場を見られたことで彼女の命を奪うことになる。そんな平松に、「出来る事は、……あるか……?」と尋ねるゴルゴ。ガンを患って余命数か月だった平松は、子供らへのあいさつと勇気づけることを願って死を受け入れる。
ゴルゴが行ったのは3000万ポンド(2003年当時のレートで約60億円)の基金の設立と運用収益のアフガニスタン孤児への寄付だった。こうした基金の設立は別として、ドクター平松の死をゴルゴは子供たちにをどう伝えたのかが気になる。「自分が……」とは言えないだろうし。

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研 修治

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