この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第48巻収録。アフガニスタンはカブール。ゴルゴは標的であるソ連軍のボリス将軍を暗殺する。事件を知ったソ連の特別強襲攻撃隊は、ゴルゴが銃の注文を出していた武器屋からゴルゴのスケジュールを聞き出し、ゴルゴが銃を受け取りにやってくる射撃場で待ち構える。武器を持たないゴルゴは、頭脳戦で特別強襲攻撃隊と渡り合う。
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髭とターバンの変装も決まっているゴルゴ
状況に応じて様々な変装をするゴルゴだが、本話ではアフガニスタン及びパキスタンでの潜入作戦のためか、顎髭をたくわえた姿で登場する。イスラム圏では、成人男性は髭を生やすのが当然という観念があり、特に童顔の日本人などは、髭がないと大人として相手にされなかったり、同性愛者に狙われたりといったこともあるそう。
実際、本話に登場する現地の男達も皆髭を生やしている。さすがに強面のゴルゴが若造扱いはされないにしても、髭がないだけで不審がられるということは考えられる。変装のディテールに妥協しない彼のプロ意識がうかがえる。
ゴルゴの鬼気迫る戦いぶりに戦慄
拳銃一つで大人数の敵と戦うことになったゴルゴ。逃げ込んだ工場の設備をフルに活用して敵を撃退するのだが、その方法が凄まじい。まず、一発だけ持っていたライフル弾を万力で固定し、ハンマーで雷管を叩いて発射。敵と読者が驚くのも束の間、今度はトラックのマフラーに大量の釘を詰め込み、エンジンをかけて釘を爆裂飛散させる。
この時の敵兵達の断末魔が「うわわーっ!!」「ぎえーっ!!」で、実に痛そう。トラックで轢き殺された敵も何人かいるはず。こうした激戦を見るたび、ゴルゴを敵に回すことの恐ろしさを否応なしに実感させられる。
弾切れに焦るゴルゴの珍しい表情も
本話で敵の奇襲を受けたゴルゴは、まず愛用のS&Wリボルバーで応戦。瞬く間に四人を倒すが、五発目を撃ったところで弾切れになり、一瞬焦ったような表情を見せるコマがある。
ゴルゴが愛銃の残弾数を把握していないはずもないが、もしかして六連発タイプと間違えた? いやいや、そんなまさか……。何か読者の理解を超えた計算違いがあったのだろうか、不思議なシーンだ。もちろん、その後は先述の通り奮迅の活躍を見せ、敵を全滅させたことは言うまでもない。いかなる不利な状況に陥ってもたちまちリカバーしてみせるのがゴルゴの頼もしさだ。
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東郷 嘉博
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